外貨預金とは、米ドルや豪ドルなどの外国通貨を日本円で預ける代わりに、そのまま外貨で預ける資産運用の一つです。外貨預金商品を見ると、利回りが5%や7%など魅力的に見えることがあります。
しかし、一方で「外貨預金はおすすめしない」とか「外貨預金は避けたほうがいい」といった否定的な意見も多く、どちらを信じるべきか戸惑うこともあるでしょう。
結論から言うと、「外貨預金はあまりおすすめできません。」外貨預金をおすすめしない理由は以下の5つです。
- 為替相場の変動に対応しにくいから
- 元本割れのリスクが依然として存在するから
- 為替手数料が高いから
- 外貨運用に否定的な意見が多いから
- 利回りの高い商品は通常「定期預金」であるから
ただし、これが外貨運用全体に当てはまるわけではありません。
この記事では、外貨預金をおすすめしない理由だけでなく、他の外貨運用の方法も紹介しています。
まずは中立的な立場から記事を読み進め、外貨預金について正しい知識を身につけましょう。特に最近は「円高・円安」に関するニュースが増えており、外貨を保有することを考えている人も多いでしょう。ゆっくり記事を読んでみることをおすすめします。
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外貨預金は避けるべきな理由を解説
外貨預金が避けるべき理由には、具体的な5つのポイントがあります。
これらの理由は以下の通りです。
- 相場の急変動に対応しづらい
外貨の価格(為替相場)が日々変動するため、急激な変動に対処するのが難しいです。 - 元本割れリスクがある
為替変動の影響で、預けた元本が減少する可能性があります。 - 為替手数料が高く利益を圧迫
外貨の売買に伴う手数料が高いため、利益を圧迫することがあります。 - 外貨運用に対して否定的な意見が多い
外貨預金には否定的な意見が多く、その信頼性に疑問符がついています。 - 利回りが高い商品は「定期預金」であることが多い
利回りが高い外貨預金商品は、通常「定期預金」で提供されるため、柔軟性が不足しています。
これらの理由について、わかりやすく解説していきます。
1. 相場の急変動に対応しづらいから
外貨預金は、日本円を外貨に替えて運用するもので、外貨の価格が日々変動します。この急激な変動に素早く対応することが難しく、損失を最小限にするのが難しい点があります。FXのようにリアルタイムで取引することが難しく、損失を抑えにくいのが特徴です。
2. 元本割れリスクがある
外貨の価格変動により、預けた元本が減少する「元本割れ」のリスクがあります。為替変動によって損失を被る可能性があるため、慎重な運用が求められます。
ただ、「預金なのに元本保証じゃないの?」という疑問があるかもしれません。そこで、その理由を説明します。
まず、外貨預金は日本円以外の通貨を預ける仕組みです。
具体的には、米ドルや他の通貨を預金して、その価格変動に合わせて預金額が変動するわけです。
たとえば、米ドルが「100円」の時に外貨預金を始め、預け入れた金額が日本円で「100万円」だったとしましょう。
もしも米ドルが「110円」に上昇した場合、円に換算すると110万円に増えます(+10万円)。逆に、米ドルが「90円」に下落した場合は、円に換算して90万円に減少します(▲10万円)。ただし、ここでは為替手数料は考慮していません。
このように、外貨の価格変動によって利益も損失も生じるため、預け入れた時の元本が「円安」になっていると、元本割れのリスクが生じるわけです。
高い利率に目がくらんで、「為替差損による元本割れリスク」を無視してしまうと、予期せぬ損失が生じる可能性があるので、慎重になる必要があります。
3. 為替手数料が高く利益を圧迫
外貨の売買には手数料がかかります。これが高額であれば、取引ごとに利益が圧迫され、本来得られるべき利益が減少します。手数料には注意が必要です。
外貨預金の手数料を考えてみると、「預け入れ(円→外貨)」と「払い戻し(外貨→円)」の二つのタイミングで「為替手数料」がかかります。
大手都市銀行でも、1通貨あたり「片道25銭〜1円」の為替手数料がかかってしまうのが現状です。
4. 外貨運用に対して否定的な意見が多い
外貨預金に対しては否定的な意見が多く存在し、信頼性に疑問符がついています。そのため、他の運用方法も検討することが重要です。
5. 利回りが高い商品は「定期預金」であることが多い
高い利回りを謳っている外貨預金商品は通常、「定期預金」で提供されることが多いです。しかし、これは柔軟性が不足しており、資金の引き出しが難しい場合があります。
外貨定期預金は、ほとんどの場合、「満期」つまり期間があらかじめ設定されています。しかし、中途解約をすると元本割れが生じたり、為替相場が大きく変動した場合には、「中途解約で損をするか、満期まで待ってその時の相場に賭けるか」といった選択しか残りません。
歴史的に安定している米ドルなどの外貨はまだしも、トルコリラや南アランド円などの新興国通貨はレートが不安定なためおすすめできません。新興国通貨の外貨定期預金は、為替変動の影響を受けやすく、中途解約時に損失を被るリスクが高まることから注意が必要です。
これらの理由を考慮して、外貨預金を選択する際には慎重な判断が求められます。
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外貨預金で見落としがちなデメリット
外貨預金には知っておきたいデメリットがあります。以下に2つ紹介します。
- FXよりもらえる金利が少ない場合が多い
外貨預金でも、FXのスワップポイントのように金利がつきます。しかし、金利は原則的に「満期」にまとめて支払われることが一般的です。広告で見る「◯ヶ月外貨定期預金 金利1.0%」などはありますが、FXで外貨を保有した方が利回りが良い場合も多いです。例えば、1年満期の外貨預金(金利:0.1%)と米ドル/円を1年保有した場合を比較すると、スワップポイントで得た方が高利回りになる可能性があります。 - 預金保険制度の対象外(銀行が破綻した場合の補償が手薄)
外貨預金は預金保険の対象外です。預金保険は、預け入れた銀行が破綻した場合に預金者を保護する制度で、通常の円建て預金は最大1,000万円まで保護されます。しかし、外貨預金はこの制度の対象外であり、銀行の破綻に対する補償が手薄です。注意が必要です。
資産運用には様々な手段がありますが、各手段のメリット・デメリットを理解し、リスクを最小限にすることが重要です。
【初心者向け】外貨預金の活用方法
ここまで、外貨預金はおすすめしないと言われる理由を説明してきましたが、活用方法がないわけではありません。
実際、外貨預金を上手に活用すれば恩恵を得ることも可能です。本章では、簡単にできる外貨預金の活用方法を紹介します。
円安対策として活用する
円安対策として外貨預金を活用する方法があります。
この場合は、数ヶ月単位ではなく1年以上(1~5年)で運用することを前提として話を進めます。 日本円の資産だけを持っていると、円の価格が下がった場合(円安)、資産が目減りしてしまいます。例えば、総資産が500万円で1ドル=100円のときは5万ドル分ですが、1ドル=120円のときは約4.2万ドル分(▲8,000ドル!)となります。
円以外の通貨価格が上がると円の価格は相対的に下がることがあります。円安リスクを回避するために「中長期」で米ドルなどの外貨預金を活用するのは賢い選択です。 筆者によると、中長期という条件がついているのは、円安になっても良いようにしているからです。これは「リスク回避の手段」としての保有を目的にしています。
預け入れタイミングを複数回に分ける
この活用方法は、「外貨普通預金・外貨貯蓄貯金」の場合に使える方法です。 上記2種の外貨預金であれば、お金を預け入れるタイミングを複数回に分けることができます。これにより、外貨を買い付けるタイミングを分散させることができ、次のようなリスクを軽減できます。
「円安のときにたくさん預けてしまった!」「利率よりも為替差損の方が大きくなっていく…」 これによって、円高・円安の変動に対して柔軟に対応できるメリットがあります。
まとめ: 資産防衛のために外貨預金するのは、正解か?
外貨預金への預入が増えています。例えば、新生銀行の外貨定期預金残高は半年間で6割以上増加し、ソニー銀行では1カ月間の新たな預入額が半年前から8割増えたと報じられています(日本経済新聞,2022年9月7日)。
これまでの外貨預金の主な目的は金利収入を増やすことでした。しかし、最近では、資産価値の維持が重視されているようです。
つまり、現在外貨預金を考えている人たちは、将来的に長期間にわたり円安が続くことと、円安になることで為替差益を期待していると言えるでしょう。
とはいえ、円だけで持っていてはリスクの分散ができていないので、外貨預金する場合は、基本日本円に引き出さず、外貨として利用していく、運用していくというスタンスで入ることが健全と言えるでしょう。
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