ソフトバンクグループの孫正義会長兼社長は、10月4日に開催された「SoftBank World 2023」で特別講演を行い、AI(人工知能)が人間の知能を超える「汎用人工知能」(AGI)の世界が「10年以内に実現する」と述べました。
AGIとは、特定の分野ではなく、あらゆる分野で人間と同等の知能を持つAIのことです。
この記事では、孫正義の主張の理由と背景を探ってみます。
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孫正義がAGIの実現に期待すること
孫正義は、AGIの実現によって、新たな価値やサービスを創出することができると考えています。その一例として、生成AIやMMMなどの技術を紹介しました。
生成AIとは、テキストや画像、音楽、コードなどを自動的に生成するAIのことです。MMMとは、マルチモーダルAIの略で、テキストだけでなく、画像や音声などの複数のモードを扱えるAIのことです。孫正義は、これらの技術を活用して、自転車修理や医療診断などの様々なタスクをAIに任せることができると示しました。
また、孫正義は、ソフトバンクグループがAI分野で世界的なリーダーになることを目指していると発言しました。ソフトバンクグループは、国内外の多くのAI関連企業に投資しており、その中でもOpenAIやArmなどはAGIに向けて重要な役割を果たすと考えています。OpenAIは、生成AIの最先端技術であるChatGPT (GPT-4)を開発した組織であり、Armは、AIに必要なチップやプラットフォームを提供する企業です。孫正義は、これらの企業と協力して、AGIの実現に貢献することを表明しました。
さらに、孫正義は、AGIが人類の幸福や豊かさを高めることを信じています。孫正義は、「人類の進化の源泉は願望にある」と述べ、つまり、人間は自分や社会や世界をより良くしたいという願望を持っており、その願望を実現するためにAIを利用することができるということです。孫正義は、「AGIは敵ではなく味方」とし、「活用するかどうかは我々次第」と語りました。
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孫正義がAGIの実現に警鐘を鳴らすこともある理由
一方で、孫正義はAGIの実現に伴う課題やリスクにも言及しました。
その一つが、AGIが人類を超えるASI(超人工知能)になり、人類に危害を及ぼす可能性です。ASIとは、人類叡智総和の1万倍の知能を持つAIのことで、孫正義はそれを「金魚のような存在」と表現しています。つまり、ASIは人間の意思や感情を理解できないかもしれず、人間にとって脅威になるかもしれないということです。
もう一つの課題やリスクは、AIの倫理やセキュリティ、規制などの社会的な側面です。孫正義は、AIが人間のプライバシーや自由や権利を侵害することがないようにするために、国際的な協力や対話が必要だと指摘しています。
さらに、孫正義は、日本企業や若者がAIに適応できずに取り残されることがないようにする必要があると訴えています。孫正義は、日本企業の多くがAIに対して消極的であり、生成AIやMMMなどの最新技術を活用していないことを批判しています。また、日本の若者の多くがAIに対して興味や関心を持っておらず、学びや挑戦をしていないことを憂慮しています。孫正義は、日本がインターネット革命で立ち遅れたように、AI革命でも立ち遅れないようにするためには、日本企業や若者がAIに関心を持ち、学び、活用することが重要だと説いています。
まとめ AGI
この記事では、孫正義の主張の理由と背景を探ってみました。AGIは人間の知能を超えるAIであり、その実現によって社会や産業は大きく変化するでしょう。孫正義はAGIの実現に期待するとともに、警鐘を鳴らすこともあります。AGIの実現に向けて、我々はAIに関心を持ち、学び、活用することが重要です。
孫正義は、
AGIはすごいけど怖い 日本は頑張れ 金魚にならないように
と言っているのです。