バイオテクノロジー株とは?おすすめの銘柄や投資のポイントを解説

バイオテクノロジーとは、生物や生体分子を利用して新しい技術や製品を開発する分野です。医療、農業、環境、食品など様々な分野で応用されており、人類の健康や生活の質の向上に貢献しています。バイオテクノロジーは、遺伝子工学や細胞工学などの先端的な技術を駆使して、新薬やワクチン、植物や動物の改良、バイオ燃料やバイオプラスチックなどの生産を行っています。

バイオテクノロジー株とは、バイオテクノロジーに関連する企業の株式のことです。生物科学だけでなく、そこから派生する製薬会社や化学系、創薬ベンチャー企業なども指します。

バイオテクノロジーは、高い成長性と将来性を持つ分野であり、多くの投資家から注目されています。というのも、創薬ベンチャー企業は、まだ世に出ていない新薬などを独自の技術で開発していることから、今後株価が跳ね上がる期待があるとされているのです。

しかし、バイオテクノロジー株は、開発に多くの時間とコストがかかり、承認や販売にも不確実性が高いという特徴があります。そのため、バイオテクノロジー株は、高いリスクとリターンを伴う投資対象と言えます。特に、創薬ベンチャー企業は独自の技術を実用化するまで時間を要すことや、開発に失敗することもあるため、株価が大きく低迷してしまうリスクと隣り合わせでもあります。

この記事では、バイオテクノロジー株について、おすすめの銘柄や投資のポイントを解説します。バイオテクノロジー株に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

目次

バイオテクノロジー株のおすすめ銘柄

バイオテクノロジー株は数多く存在しますが、ここでは代表的な銘柄を紹介します。

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モデルナ(mRNA)

米国のバイオ医薬品企業であり、mRNA(メッセンジャーRNA)を利用した新薬やワクチンの開発を行っています。

mRNAは、遺伝子情報を細胞に伝える役割を持つ分子であり、mRNAを人工的に作成して細胞に送り込むことで、特定のタンパク質を作らせることができます。これにより、免疫系を活性化させたり、病気の原因となるタンパク質を阻害したりすることが可能になります。mRNAがワクチンとして体に入った場合、mRNAは「どういうたんぱく質を作ったら良いかを知らせ、それを作る指令を出すことができる」ということになります。

mRNAは、体内で一時的にしか存在できません。特定のたんぱく質の生産を指示し、役目を果たした後は細胞内で消化されてしまいます。恒久的に存在することができないため、DNAなどに干渉したり、長期的に体内に滞在することで悪影響をもたらしたりするということができないのです。

モデルナは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防接種用ワクチン「スパイクバックス」を開発しました。このワクチンはmRNA技術を用いており、高い有効性と安全性が確認されています。

初回接種後に副反応を疑う事例として報告された心筋炎や心膜炎の状況を厚生労働省において解析された結果、ファイザー社ワクチン、モデルナ社ワクチンのいずれも10代・20代の男性の報告頻度が他の年代と比べて高いという傾向が確認されています。

また、インフルエンザやRSウイルスなど他の感染症やがんなどの治療薬も開発中です。モデルナは、mRNA技術のパイオニアとして世界的な評価を得ており、今後も成長が期待されるバイオテクノロジー株の一つです。

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イルミナ(ILMN)

イルミナは、米国のバイオテクノロジー企業であり、ゲノム解析のリーダーとして知られています。

ゲノムとは、生物の遺伝情報を持つDNAの全体のことであり、ゲノム解析とは、ゲノムの配列や構造を調べることです。ゲノム解析には、高度な技術と装置が必要ですが、イルミナは、ゲノム解析に用いるシーケンサーやチップなどの製品を提供しています。イルミナの製品は、世界中の研究機関や医療機関で利用されており、ゲノム解析の市場を支配しています。

イルミナは、ゲノム解析を通じて、がんや遺伝性疾患などの診断や治療に貢献しています。

また、個人のゲノム情報を提供するサービス「Helix」と提携したり、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の検査キット「COVIDSeq」なども開発しています。イルミナは、ゲノム解析の分野で圧倒的な優位性を持ち、今後も技術革新や市場拡大が見込まれるバイオテクノロジー株の一つです。

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クリスパー・セラピューティクス(CRSP)

スイスのバイオ医薬品企業であり、CRISPR(クリスパー)と呼ばれる遺伝子編集技術を用いた治療薬の開発を行っています。

CRISPRとは、細菌がウイルスから身を守るために持つ防御システムであり、このシステムを応用することで、DNAを切り貼りすることができます。これにより、遺伝子に起因する病気や異常を修正したり、新しい機能を付与したりすることが可能になります。

本来CRISPRは、バクテリアや他の原核生物がウイルスやプラスミドから身を守るために用いる、適応的防衛のメカニズムのことです。 端的に言うと、外来DNAの短い配列(スペーサー)が宿主のゲノムの繰り返し配列(リピート)に隣接し、その短い配列を宿主ゲノムに取り込むというメカニズムです。

クリスパー・セラピューティクスは、CRISPR技術を用いて、血液疾患やがんなどの難治性疾患の治療薬を開発しています。

特に、鎌状赤血球貧血やβ-サラセミアという遺伝性の血液疾患に対する治療薬「CTX001」は、臨床試験で有望な結果を示しており、承認に向けて進められています。クリスパー・セラピューティクスは、CRISPR技術の先駆者として注目されており、今後も革新的な治療薬の開発が期待されるバイオテクノロジー株の一つです。

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バイオテクノロジー株の投資ポイント

バイオテクノロジー株は高い成長性と将来性を持つ一方で、高いリスクとリターンを伴う投資対象です。そのため、バイオテクノロジー株に投資する際には、以下のポイントに注意する必要があります。

パイプラインや特許などの技力をチェックする

バイオテクノロジー株の価値は、主に開発中の治療薬や製品のポテンシャルに左右されます。そのため、バイオテクノロジー企業のパイプライン(開発中の製品の一覧)や特許(独占的な技術や知財の保護)などの技術力をチェックすることが重要です。

パイプラインや特許が豊富であれば、競争力が高く、将来的な収益性が見込まれると言えます。逆に、パイプラインや特許が乏しければ、技術的な遅れや模倣品の脅威にさらされる可能性があります。

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臨床試験や承認などの進捗状況を追う

バイオテクノロジー株は、臨床試験や承認などの進捗状況によって大きく値動きします。

臨床試験とは、治療薬や製品の有効性や安全性を人間で確認する試験のことであり、承認とは、治療薬や製品を市場に出すために必要な許可のことです。臨床試験や承認は、通常、第I相から第III相までの段階を経て行われます。第I相では、安全性を確認するために少数の健康な被験者に投与します。第II相では、有効性を確認するために数百人程度の患者に投与します。第III相では、有効性と安全性を確認するために数千人程度の患者に投与します。

臨床試験や承認は、バイオテクノロジー企業にとって最大のハードルであり、成功すれば大きな収益源となりますが、失敗すれば大きな損失となります。そのため、バイオテクノロジー株に投資する際には、臨床試験や承認のスケジュールや結果を追うことが重要です。特に、第III相の臨床試験や承認は、バイオテクノロジー株の価格に大きな影響を与えることが多いです。

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ファンダメンタルズや財務状況を分析する

バイオテクノロジー株は、技術力や進捗状況だけでなく、ファンダメンタルズや財務状況も分析する必要があります。

ファンダメンタルズとは、企業の業績や収益性などの基本的な指標のことであり、財務状況とは、企業の資産や負債などの財務的な指標のことです。ファンダメンタルズや財務状況を分析することで、バイオテクノロジー企業の成長性や安定性を評価することができます。

バイオテクノロジー株のファンダメンタルズや財務状況は、一般的な株式とは異なる特徴があります。バイオテクノロジー企業は、開発に多くの時間とコストがかかるため、収益が発生するまでに長い期間が必要です。そのため、バイオテクノロジー株は、売上や利益などの指標ではなく、研究開発費やキャッシュフローなどの指標で評価されることが多いです。研究開発費は、バイオテクノロジー企業の技術力や成長性を示す指標であり、キャッシュフローは、バイオテクノロジー企業の資金繰りや安定性を示す指標です。

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まとめ

バイオテクノロジー株とは、バイオテクノロジーに関連する企業の株式のことであり、高い成長性と将来性を持つ投資対象です。

しかし、バイオテクノロジー株は、高いリスクとリターンを伴う投資対象でもあります。そのため、バイオテクノロジー株に投資する際には、パイプラインや特許などの技術力、臨床試験や承認などの進捗状況、ファンダメンタルズや財務状況などを分析することが重要です。バイオテクノロジー株に興味がある方は、ぜひこの記事を参考にしてください。

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この記事を書いた人

株式会社シュタインズ
「テクノロジー×教育の研究開発」を事業の基盤に、現在は金融教育サービス事業「Moneychat(http://moneychat.life/)」の企画と開発を進める。

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