ETF(上場投資信託)とは、Exchange Traded Fundsの略で、株式や債券、金、石油といった様々な資産の価格変動に連動する投資ファンドのことです。ETFは、通常の株式と同じように証券取引所で売買することができます。これにより、直接その資産を所有することなく、その価格の動きに投資することができます。
イーサリアムETFは、仮想通貨の一種であるイーサリアムの価格に連動するETFです。投資家は、イーサリアムを直接購入することなく、その価格変動に基づいた投資ができるため、仮想通貨市場のリスクを抑えつつ利益を狙うことができます。
2024年1月上旬に、アメリカの証券取引委員会(SEC)がビットコインスポットETFを承認しました。これにより、次はビットコインに次ぐ人気を持つイーサリアムのETFに注目が集まっています。
そしてついにイーサリアムの現物ETFがついに承認されました!
そこで今回は、イーサリアムのETFについて、そして今後のイーサリアムについて初心者にもわかるように解説していきたいと思います!
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イーサリアムETFとは?
イーサリアムETFとは、イーサリアムの価格に連動する投資信託のことです。イーサリアムは、ビットコインに次ぐ規模と影響力を持つブロックチェーンプラットフォームで、分散型アプリケーションやスマートコントラクトを開発するための基盤となっています。
名称 | イーサ、イーサリアム |
ティッカーシンボル・通貨単位 | ETH |
基盤のブロックチェーン | イーサリアム |
コンセンサスアルゴリズム | プルーフ・オブ・ステーク(PoS) |
価格* | ¥597,727.76 |
時価総額ランキング* | 2位 |
取り扱いのある主な仮想通貨取引所 | Coincheck DMM Bitcoin GMOコイン bitFlyer |
投資信託とは?
投資信託とは、複数の投資家が資金を出し合い、その資金をプロのファンドマネージャーが運用する仕組みです。ファンドマネージャーは、集めた資金を使って株式、債券、不動産などのさまざまな資産に分散投資します。これにより、個々の投資家は自分で個別の資産を選ぶ手間を省き、リスクを分散することができます。
投資信託を利用することで、投資家はプロの運用チームの知識と経験を活用できるため、自分で投資を行うよりも効率的な資産運用が期待できます。しかし、その分のコストとして運用報酬や信託報酬が必要になります。運用報酬は、ファンドマネージャーの手数料として毎年支払われる費用で、信託報酬はファンドの運営費用として支払われる費用です。
イーサリアムの特徴
イーサリアムは、ビットコインと同様にブロックチェーン技術を基盤としていますが、単なるデジタル通貨としての役割だけでなく、分散型アプリケーション(DApps)やスマートコントラクトの開発プラットフォームとしても利用されています。これにより、さまざまな分野での応用が期待されており、将来的な成長が見込まれています。
イーサリアムETFが承認されました!
アメリカの証券取引委員会(SEC)は、現物型イーサリアム(ETH)上場投資信託(ETF)を承認しました。これにより、イーサリアムETFは証券取引所で上場・取引されることが認められました。
今回承認されたのは、VanEck、BlackRock、Fidelity、Grayscale、Franklin Templeton、ARK 21Shares、Invesco Galaxy、およびBitwiseからの「19b-4」申請です。この申請が承認されたことで、これらの企業は現物型イーサリアムETFを提供することができます。特に注目すべきは、ブラックロックが関与しているETFが全て承認された点です。
今回承認されたのは、取引所側の書類である「19-b4」というフォームです。これはETFの存在が認められたことを意味します。
しかし、実際にETFの取引を開始するためには、ETFの発行者側の申請書類である「S1登録届出書」も承認される必要があります。現在、このS1登録届出書の審査が進行中で、取引開始の正式な時期はまだ判明していません。
ビットコインETFの場合、承認後すぐに取引が開始されましたが、今回のイーサリアムETFについては、専門家からは2〜3週間以内に取引が開始できるのではないかと言われています。ただし、過去にはこのプロセスに3ヶ月以上かかった例もあるため、取引開始が遅れる可能性もあります。
イーサリアムの現物ETFが承認されたことは、大きな意義があります。イーサリアムは「プルーフ・オブ・ステーク(PoS)」という仕組みを採用しており、これが証券とみなされるかどうかが議論されていました。しかし、ETFとして承認されたことで、イーサリアムが商品として認められたと言えます。これにより、イーサリアムと同じようなアルゴリズムを使用する他の暗号資産も商品として認められる可能性があります。
暗号資産の専門家や弁護士は、「イーサリアムは証券ではない」という見解を示しており、今回の承認によってこの議論は終わりを迎えたと述べています。さらに、イーサリアムに類似するトークンも商品として扱われる可能性が高まったとされています。
次の現物ETFとしては、ソラナ(Solana)が候補に挙がっています。しかし、SECがソラナを証券として提訴したこともあり、その実現は不透明です。それでも、今回のイーサリアムETFの承認は、他の暗号資産のETF承認への可能性を広げる大きな一歩となりました。

19b-4申請とは?
19b-4申請とは、アメリカの証券取引委員会(SEC)に対して、証券取引所が新しいルールや規則の変更を提案するための申請書です。証券取引所がETF(上場投資信託)などの新しい商品を上場させる際、この申請書を提出します。SECはこの申請書を審査し、承認することでその商品が正式に取引所で取引できるようになります。
S-1登録届出書とは?
S-1登録届出書とは、企業が株式やETFなどの証券を一般に公開する前に、SECに提出する詳細な報告書です。この報告書には、企業の財務状況や事業内容、リスク要因など、投資家にとって重要な情報が詳しく記載されています。S-1登録届出書がSECによって承認されると、その企業や商品は正式に取引を開始することができます。
仮想通貨初心者向けに具体例で説明
たとえば、あなたが証券取引所を運営しているとしましょう。新しいイーサリアムETFを上場させたい場合、そのためのルールをSECに提出しなければなりません。このときに使う申請書が19b-4申請です。SECがこの申請を承認すると、イーサリアムETFは証券取引所で取引できるようになります。
次に、あなたがイーサリアムETFを発行する会社だとします。このETFを投資家に販売するためには、SECに対して詳細な情報を提出しなければなりません。そこで使うのがS-1登録届出書です。この書類には、ETFの内容や会社の財務状況など、投資家が安心して購入できるように必要な情報が記載されています。SECがこの書類を承認すると、正式にイーサリアムETFを販売することができるようになります。

19b-4申請は、証券取引所が新しい商品を上場させるためにSECに提出する書類。
S-1登録届出書は、企業が新しい証券を公開するためにSECに提出する詳細な報告書。
これらの書類が承認されることで、新しいイーサリアムETFが正式に取引所で取引できるようになり、投資家は安心して購入することができるのだ!
なぜ現物型イーサリアムETFの承認が大きなニュースなのか?
現物型イーサリアムETFの承認が大きなニュースになる理由を、初心者にもわかりやすく説明します。
1. 投資の敷居が下がる
ETFとは「Exchange Traded Fund」の略で、日本語では「上場投資信託」と呼ばれます。ETFは証券取引所で売買できるため、株式と同じように手軽に取引できます。これに対して、仮想通貨は専用の取引所での購入が必要で、ウォレットの管理やセキュリティ対策も必要です。現物型イーサリアムETFが承認されると、投資家は仮想通貨取引所を利用せずに、通常の証券取引所でイーサリアムに投資できるようになります。
2. 市場の信頼性が向上する
米国証券取引委員会(SEC)の承認を受けることで、イーサリアムETFは正式な投資商品として認められます。SECの承認は、規制当局がイーサリアムの信頼性や安全性を一定の基準で評価したことを意味します。これにより、仮想通貨市場全体に対する信頼性も向上し、より多くの投資家が安心して参加できるようになります。
3. 資金流入が期待される
ETFが承認されると、従来の株式や債券に投資していた機関投資家(大規模な投資ファンドや保険会社など)もイーサリアムに投資しやすくなります。これにより、市場に多くの資金が流入し、イーサリアムの価格が上昇する可能性が高まります。実際、ビットコインETFが承認された際にも、ビットコインの価格が大きく上昇しました。
4. 仮想通貨の普及が進む
イーサリアムETFが承認されることで、仮想通貨が一般の投資商品として認知されるようになります。これにより、仮想通貨に対する関心が高まり、普及が進むことが期待されます。さらに、イーサリアムを基盤としたブロックチェーン技術や分散型アプリケーション(DApps)も注目され、技術革新が進む可能性があります。
5. 他の仮想通貨への波及効果
イーサリアムETFの承認は、他の仮想通貨にも影響を与えます。例えば、イーサリアムと同様の技術を持つアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)や、イーサリアムを基盤とするトークン(仮想通貨)が注目されるようになります。これにより、仮想通貨市場全体が活性化し、多くの新しいプロジェクトや技術が生まれる可能性があります。
イーサリアムETFの普及がもたらす影響
イーサリアムETF(上場投資信託)がどんどん普及することで、どのようなことが期待できるのでしょうか。以下に、いくつかのポイントを挙げて説明します。
イーサリアムの価格の安定と上昇
イーサリアムETFの普及により、イーサリアムの価格が安定し、上昇することが期待されます。ETFは多くの投資家に購入されるため、安定した需要が生まれ、価格の急激な変動が抑えられる可能性があります。
暗号資産市場全体のボラティリティの増加
イーサリアムETFの普及は、暗号資産市場全体のボラティリティ(価格変動の幅)を増加させることも考えられます。これは、新たな投資家が市場に参入することで、取引量が増え、価格変動が大きくなるためです。
他の暗号資産への影響
イーサリアムベースで作られたトークンや、アルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)、ミームコイン(例えばドージコインやシバイヌコイン)などにも、イーサリアムETFの影響が及ぶ可能性があります。これらの暗号資産もイーサリアムの価格上昇に伴って価値が上がることが期待されます。
規制の強化
一方で、暗号資産関連商品の規制が強化される可能性もあります。新しい金融商品が導入されると、既存の暗号資産や新たに生まれる暗号資産に対して、より厳しい規制が適用されることが考えられます。これにより、一部の暗号資産は取引が制限されるかもしれません。
投資家の多様化
従来の株式や債券に加えて、暗号資産をポートフォリオに組み入れる投資家が増えることも期待されます。これにより、投資家の選択肢が広がり、より多様な資産運用が可能になります。
まとめ イーサリアムの現物ETFがついに承認
現物型イーサリアムETFの承認は、多くの影響をもたらす可能性があります。
イーサリアムの価格の安定と上昇、市場全体のボラティリティの増加、他の暗号資産への波及効果、規制の強化、投資家の多様化など、さまざまな要素が考えられます。暗号資産市場がどれだけ発展するか、今後の動向に注目していきたいところです。ビットコインなどの他の主要な暗号資産も一気に価格が上昇する可能性があるため、期待が高まっています。