ステーブルコインが変える金融の未来!SBI証券で読み解く、次の10年への投資視点

「あなたの銀行口座にあるお金が、ある日突然、もっと賢く・速く・安く動き始めたら?」

そんな未来を、多くの人なんやかんやでまだ先の話だと思うかもしれません。しかし、SBIホールディングス北尾吉孝会長兼社長の発言の一つひとつは、単なる業界トークではなく、これからの金融市場の構造変化を正確に見通した「投資のロードマップ」として読み解くことができます。

この記事では、北尾氏の発言を丁寧に整理しながら、定量データと事業構造の両面から「ステーブルコインが引き起こす金融変革」の実像に迫ります。NISAで株を始めたばかりの方にも、投資歴10年のベテランにも、「なるほど、そういう構造か」と感じていただける内容を目指しました。

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目次

ステーブルコインとは何か?

記事を読み進める前に、主要な用語を整理しておきましょう。

ステーブルコインとは、米ドルや日本円など法定通貨に価値を連動(ペッグ)させた暗号資産のことです。ビットコインのように価格が乱高下することなく、「1USDC=1ドル」という安定性を保つよう設計されています。

DeFi(ディーファイ)とは、分散型金融(Decentralized Finance)の略で、銀行などの仲介業者を介さずにブロックチェーン上で金融サービスを提供する仕組みのことです。

TradFi(トラッドファイ)とは、従来型の金融(Traditional Finance)を指します。銀行・証券会社・保険会社といった既存の金融機関が担う世界です。

CBDC(中央銀行デジタル通貨)とは、各国の中央銀行が発行するデジタル形式の通貨です。日本銀行も実証実験を続けています。

中央銀行デジタル通貨とは何ですか? : 日本銀行 Bank of Japan www.boj.or.jp

これらの言葉を頭に入れた上で、先を読んでいきましょう。

「TradFiとDeFiの融合」が次の10年の最大テーマである

私がこの記事で伝えたいことは、一言でまとめるとこうです。

ステーブルコインを軸に、従来型金融(TradFi)と分散型金融(DeFi)が融合していく。この流れに乗れる企業と、乗り遅れる企業の間で、巨大な株価格差が生まれる。

北尾氏はカンファレンスで「こっちにいる人(TradFiの世界)は、DeFiの中の裏のことっていうのは、もうわからなくていいんです。そうすることが技術の真価だと思いますね」と語りました。この発言は非常に重要です。つまり、最終的なユーザーはDeFiの仕組みを意識せずに使える世界がくるのであり、その「透明な橋」を作ることが、企業にとっての競争優位になるということです。

単なる暗号資産ブームの話ではありません。「金融インフラの更新」というパラダイムシフトの話です。では、数字でその規模を確認していきましょう。

数字が語る、変革の規模と速度

日本の暗号資産ユーザーは急増中

北尾氏はカンファレンスで「日本でも暗号資産のユーザーが1,400万人もいる」と発言しました。実際のデータはどうでしょうか。

日本の暗号資産ユーザー数は、2022年の約561万人から2023年に約646万人(前年比+15%)、2024年には約917万人(前年比+41%)と急増し、2025年5月時点では約1,242万人に達しています。

日本の暗号資産ユーザー数▼

  • 2022年:約561万人
  • 2023年:約646万人(前年比+15%)
  • 2024年:約917万人(前年比+41%
  • 2025年5月時点:約1,242万人

この伸び率は無視できません。2022年から2025年にかけて、わずか3年で2倍超の増加です。北尾氏の「1,400万人」という数字は、インタビュー時点でのやや先行した推計値と思われますが、トレンドとしては整合的です。暗号資産への心理的ハードルが確実に下がってきているという彼の発言は、データによって裏付けられています。

世界のステーブルコイン市場 ≒ 3,140億ドル規模へ

ステーブルコインの世界的な普及も、急ピッチで進んでいます。
ステーブルコインの供給量は2025年に3,140億ドルに達しました。

2025年時点でUSDT(テザー)は時価総額1,760億ドル超で市場の58%を占め、USDC(サークル)は740億ドル超で25%を占めています。

  • USDT(テザー)
    • 時価総額(2025年):約1,760億ドル
    • シェア:約58%
  • USDC(サークル)
    • 時価総額(2025年):約740億ドル
    • シェア:約25%
  • その他
    • 時価総額(2025年):約640億ドル
    • シェア:約17%

合計 = 約3,140億ドル
注目すべきは、USDTもUSDCも、その価値の裏付けとして米ドル現金や米国債(トレジャリー)を保有していることです。つまり、ステーブルコインが普及すればするほど、発行体はドル建て資産を大量購入することになる。北尾氏が「ドルの覇権は失われない。むしろステーブルコインを通じてドル需要が高まる」と語った背景には、この構造があります。

SBIのグループ規模と暗号資産事業の成長

SBIホールディングス自体のビジネス規模も確認しておきましょう。

2024年3月期通期の業績は、収益が前期比26.5%増の1兆2,105億円となり、過去最高の収益を更新しました。連結税引前利益は前期比38.6%増の1,416億円でした。

  • 2024年3月期収益:約1兆2,105億円(前期比+26.5%)
  • 連結税引前利益:約1,416億円(前期比+38.6%)
  • 平均増収率(直近2期):約22.8%
  • 国内USDC取り扱い開始:2024年3月(国内暗号資産交換業者初)
  • 日本円連動ステーブルコイン(JPYSC):正式発行目標 2026年度

SBIとSBI Startaleは、日本の「Type III」フレームワークの下で円連動ステーブルコイン「JPYSC」を2026年第2四半期に正式発行することを目指しています。
この「先行者優位」の確立が、中長期的な競争力の源泉になり得ます。

機関投資家マネーの流入とビットコインETFの爆発的成長

個人だけでなく、機関投資家のマネーも暗号資産に向かっています。米国でビットコイン現物ETFが承認された2024年以降、市場は劇的に変わりました。

ブラックロックのIBITは約500億ドルの運用資産でビットコインETF市場の48.5%のシェアを占め、フィデリティのFBTC(300億ドル)やグレースケールのGBTC(230億ドル)を大きく引き離しています。s

  • IBIT
    • 運用会社:ブラックロック
    • 運用残高(2025年時点):約500億ドル(シェア48.5%)
  • FBTC
    • 運用会社:ブフィデリティ
    • 運用残高(2025年時点):約300億ドル
  • GBTC
    • 運用会社:ブグレースケール
    • 運用残高(2025年時点):約230億ドル

「機関投資家という新しい成分が大量に入れば、ステーブルな状況を作り上げていける」という北尾氏の発言は、すでに現実になりつつあります。
ブラックロックは2025年6月時点で12.5兆ドルを運用する世界最大の資産運用会社です。
その本格参入という事実は、市場の成熟を象徴しています。

なぜこの変革は止まらないのか

数字を確認したところで、「なぜこれが不可逆な変革なのか」を事業・マクロの観点から整理します。

理由①:税制改正という「岩盤規制の崩壊」

北尾氏は「暗号資産の税率も、雑所得の55%から株式と同じ税率に変わっていく」と述べました。これは予言ではなく、すでに現実になっています。

政府・与党は暗号資産(仮想通貨)取引で得た所得にかかる税率を株式や投資信託など他の金融商品と同様の一律20%に引き下げる方針です。現在は最高税率が55%と国際的にも高水準で、投資家が売買をためらう一因となっています。
税負担を減らし、国内市場の活性化につなげる狙いで、2028年1月から適用される見通しです。

税率が下がれば何が起きるか。投資家が「利益確定売り」をためらわなくなる。取引が活発化する。市場に流動性が増すという正のサイクルが回り始めます。これは株式市場でも、過去に何度も確認されてきたパターンです。

理由②:ドル覇権とステーブルコインの「共生関係」

世界の国際決済でドルが占めるシェアは、かつて70%超から現在50%台に低下しているといわれています(北尾氏の発言より)。中国やロシアが制裁を受け、ドル決済から排除されようとしている中で、代替的な決済手段を模索する動きがあります。

しかし、ここで逆説が働きます。民間のステーブルコインが普及すればするほど、その裏付け資産として大量のドル(あるいは米国債)が必要になる。つまり、ステーブルコインの普及はドルの需要を高める方向に作用するのです。トランプ政権が「ステーブルコインを規制しつつも育てる」という姿勢を取っているのは、この構造を把握しているからです。

一方、CBDCについて北尾氏は「そんなに広がらない」と断言しています。中央銀行が各国でCBDCを発行しても、国をまたいだ決済には「交換レート」の問題が必ず生じるからです。対してXRPのような世界共通の暗号資産はこの問題を回避できます。
Ripple社のXRPを活用した国際送金では、SBIリミットやサンタンデールが手数料を従来の3〜7%から約0.15%に、決済時間を36〜96時間から数秒に短縮しています。

理由③:既存金融機関の「守り」から「攻め」への転換

北尾氏は既存銀行とDeFiの関係について、非常に鋭い指摘をしています。「オールドファッションな銀行は、新しいDeFiのエンティティーが出てくると、連中の預金に全部回っていくと思い、反対し出している」と。しかし同時に、「だから既存の金融機関も、DeFiの世界に入り込まなきゃ負けるんです」とも語ります。

この「守り」から「攻め」への転換は、すでにグローバルで起きています。JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOはかつてビットコインに懐疑的でしたが、その発言は数年で大きく変わりました。北尾氏は「チェースなんかもクリプトが大幅に伸びている。1年前のステートメントと全然違う」と述べています。

SBI自身の戦略はこの文脈で読むと明快です。TradFiとDeFiを融合させる「ハイブリッド金融エコシステム」を他社に先んじて構築する。USDC取り扱い、JPYSC発行、XRPを使った国際送金、株式・債券のトークン化実証実験、これらはすべて、同じ戦略の異なる側面です。

理由④:「オープンアライアンス戦略」という競争の形

北尾氏の発言で投資家として最も注目すべき言葉の一つが「マルチアライアンス、オープンアライアンスで行く」というものです。特定のブロックチェーンや特定のパートナーに依存せず、複数のチェーンと複数の企業と連携する。

これは一見、優柔不断に見えるかもしれません。しかし実際には、プラットフォーム競争における合理的な戦略です。インターネット黎明期に特定のブラウザや通信規格だけに賭けた企業が苦労した歴史を思い返せば、その意味は明らかです。「お客さんが選べばいい。その選ばれた結果として、優れたものが伸びる」というのは、資本主義の競争原理そのものであり、特定技術への過度な依存リスクを排除する分散投資の思想とも重なります。

リスクと反論

ここが重要です。私はステーブルコイン・デジタル通貨革命を前向きに語ってきましたが、正直なところ、以下のリスクは無視できません。

リスク①:規制の「揺り戻し」

暗号資産業界は規制リスクを常に抱えています。米国では「GENIUS法案」をめぐって議会での争いが続いており、大手銀行のロビー活動による巻き返しも起きています。日本でも2026年度税制改正の「分離課税20%移行」は2028年施行予定ですが、政権交代や景気後退があれば、スケジュールが変わる可能性はゼロではありません。

米国で進むステーブルコインの規制整備(1):GENIUS法案の概要とステーブルコインを巡る競争 www.nri.com

リスク②:ビットコインのボラティリティ問題

北尾氏自身が認めるように、ビットコインには「ファンダメンタル(事業価値)に基づくバリュエーションがつけにくい」という本質的な問題があります。機関投資家が参入して流動性が高まればボラティリティ(価格変動率)は下がるかもしれませんが、現時点では株式と比べて依然として非常に高い水準です。個人投資家がポートフォリオに組み込む際は、あくまで資産全体の一部として捉える「分散の発想」が必要です。

リスク③:技術リスクとセキュリティ

ブロックチェーン技術は進化途上にあります。
スマートコントラクト(自動執行型プログラム)の脆弱性を突いたハッキング被害は、DeFi業界で過去に何度も発生しています。TradFiとDeFiが融合すればするほど、セキュリティ上のリスクは複雑化します。技術的な基盤が成熟するまでには、まだ一定の時間が必要です。

リスク④:「大企業病」とSBIの内部リスク

北尾氏自身が語っているように、SBIグループは現在1万9,000人規模の組織になっています。彼は「大企業病(官僚化・内向き志向)」の脅威を強く意識しており、「エコシステム」という概念でグループを分権管理することでこれに対抗しようとしています。しかし、カリスマ経営者が率いる企業の「後継者問題」は、常に投資リスクとして念頭に置く必要があります。「僕がいなくなったらどうなるんですかって、それは僕の最大の心配で課題でもある」と北尾氏自身が語った言葉は、正直さとして評価する一方、リスクとしても認識しておくべき発言です。

読者が次に何をすべきか

長くなりましたが、整理しましょう。

北尾吉孝氏のインタビューは、単なるSBIのPRではありません。そこには、今後10年の金融市場を読み解くための「地図」が含まれていました。私がこの地図から抽出した重要な投資視点は、以下の3点です。

第一に、「税制変更」は行動の具体的トリガーになる。
2028年から日本の暗号資産課税が申告分離課税20%になる見通しです。これは、暗号資産を「投資対象」として真剣に検討するタイミングが来たことを意味します。ただし、税制変更が確定するまでは「方向性」として理解するにとどめ、過度な期待は禁物です。

暗号資産取引に20%の申告分離課税導入へ | 大和総研 自由民主党・日本維新の会が決定した「令和8年度税制改正大綱」では、暗号資産取引に係る課税の見直しが示された。上場株式等と同 www.dir.co.jp

第二に、「TradFiとDeFiの融合」に賭ける企業を探す。
ステーブルコインやブロックチェーン技術そのものを直接買うだけでなく、この変革を事業として実装しようとしている企業に目を向けることが重要です。SBIホールディングス(8473)はその代表格ですが、SBI証券・SBI新生銀行・SBIリミットなどのグループ各社の動向、そしてグローバルではJPモルガンやブラックロックなどの動きも追う価値があります。

第三に、「ビットコイン」と「ステーブルコイン・スマートコントラクト」は別物として考える。
北尾氏のロジックで最も明快だったのは、ここです。ビットコインは「デジタルゴールド(価値の保存)」としての役割は認めつつも、ファンダメンタルによるバリュエーションが難しい。対してXRPのような決済特化型通貨や、イーサリアムのスマートコントラクト技術は、実際のビジネス用途に直結しています。投資を検討する際は、「何のために存在しているのか」という用途の軸で整理することをお勧めします。

最後に、北尾氏が個人投資家に向けて語った言葉を紹介します。日本の個人金融資産の約50%が預貯金に眠っている、という現状についてです。米国ではその割合が約13%であることを考えると、この差が「過去30年の金融資産の増え方の違い」に直結しているというのは、データが示す事実です。

ステーブルコインやデジタル通貨は、難しい技術の話ではなく、「お金の未来のインフラ」の話です。NISAを使って株を買い始めた方も、この流れを「自分ごと」として学んでいく価値は十分にあります。まずは今日から、ステーブルコインという言葉を、もう少し身近に感じてみてください。

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※本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。投資は自己責任で行ってください。

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この記事を書いた人

株式会社シュタインズ

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