投資で1%リターンを上げるよりも、1%の節約を考えよう!

「投資で1%リターンを向上させる」と聞くと、どう感じるでしょうか?「たった1%?」と思うかもしれませんが、投資経験の浅い方ほどそう感じる傾向があるかもしれません。実は、特にインデックス投資において、1%リターンを上げるのは非常に難しいことです。

確かに、リスクを取ることでリターンを上げることは可能です。たとえば、債券比率を下げて株式比率を増やすことで、リターンを高めることはできます。しかし、これには当然リスクが伴います。リスクを取らずに、リターンだけを向上させる方法には限界があることを理解しておくことが重要です。

一方で、1%の節約は、誰にでも簡単に取り組める方法です。たとえば、月に30万円の生活費がかかっているとしたら、1%の節約は月3,000円の節約に相当します。年間にすれば、36,000円もの額になります。

このように、節約はリスクを取らずに確実に得られる効果です。特に、毎月の支出を見直すことで、無理なくお金を貯めることができ、結果的に投資に回せるお金が増えるというメリットもあります。

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「効率的フロンティア」にも限界がある

インデックス投資において、よく耳にする概念の一つが「効率的フロンティア」です。これは、単一の資産クラスに集中投資するよりも、複数の資産クラスに分散投資した方が、同じリターンを得る際のリスクを小さく抑えることができる、という理論です。

この考え方に基づくと、理想的な資産配分を行うことで、リスクを抑えつつリターンを最大化できるというわけです。しかし、重要なのは、たとえ効率的フロンティアに沿った資産配分を行っても、投資のリスクがゼロになるわけではないということです。

効率的フロンティアとは?

効率的フロンティアは、資産配分(アセットアロケーション)の理論の一つで、投資のリスクとリターンのバランスを考慮して最も効率的なポートフォリオを作成するための指針です。この理論を実践すると、同じリターンを期待する場合でも、リスクを低減することができると言われています。

限界とリスクについて

しかし、効率的フロンティアをどれだけ忠実に実践しても、リスクを完全に排除することはできません。たとえば、1%のリターンを上乗せしようとすると、少なくとも2%のリスク上昇が伴うことが多いです。つまり、リターンを高めるためには、ある程度のリスクを受け入れなければならないということです。

投資で1%リターンを上げるには、その2倍以上のリスクを覚悟しよう

投資でリターンを1%上げるためには、その2倍以上のリスクを取る必要があるというのは重要なポイントです。以前にも触れたように、ここで言う「リスク」とは、単に危険という意味ではなく、投資における「ばらつき」(標準偏差:SD)を指します。つまり、リターンを高めるためには、資産が上下に大きく変動する可能性を受け入れる必要があるということです。

リターンとリスクの関係

より大きなリターンを求めると、それに伴って資産の値動きが激しくなります。つまり、上昇する可能性がある反面、下落するリスクも大きくなるということです。投資をする上で、このリスクとリターンのバランスを理解しておくことは非常に重要です。

1%の節約をコツコツ投資に回そう

一方、投資リターンを1%上げることがいかに難しいかを理解している人は、1%の節約の重要性もよく理解しているでしょう。特に年齢が高い投資家にとっては、リスクを増やしてリターンを上げるよりも、節約をして投資に回す方が確実です。

たとえば、クレジットカードの還元率1%〜1.5%があまり大したことがないと感じるかもしれませんが、この数字は確実なリターンを意味します。投資の世界で確実な1%のリターンを得るのがどれほど難しいかを考えると、この節約効果は無視できません。

5%の節約がもたらす大きな成果

さらに、仮に5%の節約ができた場合、これは非常に大きな効果を生み出します。投資で5%のリターンを上げようとすると、相当のリスクを取る必要がありますが、節約はリスクを取らずに5%の確実なリターンを得ることができるのです。

家計管理がしっかりできていれば、余裕資金を生み出し、それを投資に回すことで長期的な資産形成を進めることができます。賃金が伸び悩む現代において、投資だけでなく、家計管理のスキルを身につけることが、健全な資産形成に不可欠です。

まとめ: リスクを抑えて確実に1%のリターンを得るには「節約」が最適

投資で1%のリターン向上を目指す場合、その裏には2倍以上のリスクが伴うことが多いです。リターンを追求するためには、相応のリスクを覚悟しなければなりません。

一方で、1%の節約はリスクを取ることなく、確実に1%のリターン改善をもたらします。この節約効果は非常に強力で、投資リターンを上げることが難しい時代には、見逃せない戦略です。

節約は、小さな努力の積み重ねで、将来的に大きな成果をもたらす重要な手段です。

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この記事を書いた人

株式会社シュタインズ
「テクノロジー×教育の研究開発」を事業の基盤に、現在は金融教育サービス事業「Moneychat(http://moneychat.life/)」の企画と開発を進める。

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