森林環境税ってなに?

こんにちは!今回は税金について学んでいきたいと思います!

2024年度から1人1000円が徴収されることになる新しい税を知っていますか?

その名は「森林環境税

森林は、地球温暖化防止や水源涵養など、私たちの生活に欠かせない多くの公益的機能を提供しています。

しかし、日本の森林は、所有者や境界が不明確なものが多く、適切な管理や整備が行われていない現状があります。

このような課題に対応するために、森林環境税森林環境譲与税という制度が創設されました。知っていますか?

これらの制度は、森林の整備や管理を行う市町村や都道府県に財源を提供することで、森林の質的向上や多面的機能の発揮を目指すものです。本記事では、これらの制度の概要や目的、問題点などについて解説します。

目次

森林環境税とは?

森林環境税とは、令和6年度から国税として課される予定の税金です。

「森林環境税」は2015年にフランスで開かれたCOP21で採択された「パリ協定」の枠組みのもと、温室効果ガスの排出削減目標の達成や災害の防止などを達成するため、2019年に法律が成立しました。

個人住民税均等割の枠組みを用いて、1人年額1,000円を住民税に上乗せする形で市町村が賦課徴収します。納税義務者は、日本国内に住所を有する個人で、一定の所得金額以下の者や未成年者・寡婦(寡夫)・障害者などは非課税となります 。納付方法は、住民税の均等割と併せて行われます。

納税者を約6200万人とすると、税収は1年で620億円に上るといわれています。その税収は全額が「森林環境譲与税」として全国すべての都道府県や市町村に配分されます。

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森林環境譲与税とは?

森林環境譲与税とは、森林環境税の収入額を市町村及び都道府県に対して譲与する制度です。令和元年度から交付金として先行配布されています。配分基準は、私有林や人工林の面積に応じた分が50%、人口に応じた分が30%、林業従事者数に応じた分が20%となっています。

森林環境税による負担はどの程度?

自治体によってさまざまですが、個人負担は定額、法人の場合は資本金額などに応じて課税し、県民税に上乗せする形で徴収する場合が多いです。

全国に先駆けて2003年に森林環境税を導入した高知県では、個人・法人年額500円を徴収しています。一方、2006年から導入された兵庫県の県民緑税では、個人年額800円、法人については標準税率の均等割額の10%相当額となっており、自治体によって異なることがわかるかと思います。

その他の自治体でも、兵庫県と同様の方式をとるところが多いです。また、低所得者などへの減免措置を定めている自治体もあるので、自分の地域が一体どの程度森林環境税を取っているか確認してみましょう!

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森林環境税・譲与税の目的

森林環境税・譲与税の目的は、パリ協定の下で日本が掲げた温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止等を図るための森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保することです。具体的には、以下のような施策に充てられます。

  • 市町村における施策
    • 間伐等の「森林の整備に関する施策」
    • 人材育成・担い手の確保、木材利用の促進や普及啓発等の「森林の整備の促進に関する施策」
  • 都道府県における施策
    • 「森林整備を実施する市町村の支援等に関する費用」

 なぜ森林環境税を導入するの?

森林には、水を蓄える水源涵養機能だけでなく、大雨時に洪水や土砂災害を防止する機能、二酸化炭素吸収による地球温暖化の緩和機能があります。

また、多様な生物の生息地となり、レクレーションの場になるなど、さまざまな公益的機能を持ちます。

しかし、その森林の荒廃が現在深刻になっており、こういった機能の維持・回復が問題となっているのが現状です。そのため、国に頼るだけでなく、地方自治体が森林整備事業を行い、森林の恩恵を受ける住民に幅広く費用負担を求める、森林環境税が徴収されているのです。森林環境税は、産業廃棄物税と同様に法定外目的税として地方自治体が条例で定め、徴収することになっています。

実は目的が曖昧?な森林環境税

森林環境税のはじまりは1991年、和歌山県本宮町(現・田辺市)の中山町長による「森林交付税構想」の提唱だったと言われています。公益的な視点から、山間地域が森林を保全する役割を担うための財源として提唱されたのでした。

しかし、当時の小泉内閣による三位一体改革の影響で、約5兆円の地方交付税が削減されることとなり、それが影響して森林交付税ではなく、国税としての新税創設に向けた動きへと舵を切っていったのでした。

議論の主体が中央官庁へと移行する中で、当初の思惑とは異なる内容に変わっていく側面もありました。

特に、安倍政権が進めた成長加速化路線に歩みを合わせるように、林業の成長産業化を推進するための財源として森林環境税が検討されるようになります。

当初の目的であった「森林交付税構想」から、新たに「人口」が加わり、現在の譲与基準となりました。

つまり、人口が多い都市部にも譲与税を分配することで、公共事業などでの木材利用を増やし、木材需要を上げて、林業の成長産業化につなげようというわけです。

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森林環境譲与税を活用した森林の整備

森林環境譲与税の制度と同時に、これを財源として利用した森林整備の制度(森林経営管理制度)が整備されました。これは、森林整備や経営管理が行われていない森林(主に人工林)を対象に、森林所有者から受託を受けた市町村もしくは再委託を受けた事業者が、森林所有者の代わりに森林経営を行う制度です。これまで手入れを行う手立てがなかった小規模所有者や不在村所有者の森林も対象になるほか、境界や所有者未確定のため放置されてきた森林の整備にも道が開けることとなり、森林の質的向上を通じ、森林の多面的機能(水源涵養や防災機能など)が高まるなど多くのメリットの発現が期待されています。

森林環境税・譲与税の問題点

一方で、森林環境税・譲与税には、以下のような問題点も指摘されています。

  • 国から具体的な活用方法が示されていないことや、自治体側に人手不足などにより活用できていないことが明らかになっている。
  • 配分基準が人口にも依存していることから、森林面積が少ないが人口の多い大都市に多く配分されており、その一部は基金として積み立てられている。
  • 税金の名称に関係なく、森林環境の保全に関することを目的として課す税金は「森林環境税」と通称されることから、混乱や誤解が生じる可能性がある。

住民税に上乗せされても税額は同じまま!?

森林環境税は住民税に上乗せする形で納税者が市町村に支払うのですが、最終的に国の財源となるため、課税主体は国です。地方税ではなく、国税ということになります。

そして、徴収されたお金は「森林環境譲与税」として、国から再び都道府県と市町村に分配されます。税金の使い道にはある程度縛りはあるものの、各自治体が決めて使用します。つまり、支出主体は地方自治体ということです。

徴収は2024年からはじまります。
所得の多い少ないにかかわらず、納税者一人当たり定額1,000円/年を森林環境税として支払うことになります。

ただ、実質的に住民税の額は変わりません。なぜでしょうか?

これは、2014~2023年まで復興財源確保のため、住民税がプラス1,000円徴収されているのですが、この終了と同時に森林環境税が同額徴収されますためです。このため、額面上、住民税の額は変わらないように見えるのです。

国民からすれば税額の変化がないので、気にする必要もないと言ってしまえばそうなのですが、気づかないうちによく知らない税が徴収されている感じなので、透明性は低いですよね。

税金に関するしっかりとした理解が必要です。

まとめ 森林環境税

本記事では、「森林環境税について」というテーマで、以下の内容を解説しました。

  • 森林環境税とは、令和6年度から国税として課される予定の税金で、個人住民税均等割に上乗せして1人年額1,000円を市町村が賦課徴収するものである。
  • 森林環境譲与税とは、森林環境税の収入額を市町村及び都道府県に対して譲与する制度で、令和元年度から交付金として先行配布されているものである。
  • 森林環境税・譲与税の目的は、パリ協定の下で日本が掲げた温室効果ガス排出削減目標の達成や災害防止等を図るための森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保することである。
  • 森林環境譲与税を活用した森林の整備として、森林経営管理制度が整備されており、これは市町村や事業者が森林所有者の代わりに森林経営を行う制度である。
  • 森林環境税・譲与税の問題点として、活用方法の不明確さや配分基準の不適切さ、名称の混乱などが指摘されている。

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この記事を書いた人

株式会社シュタインズ
「テクノロジー×教育の研究開発」を事業の基盤に、現在は金融教育サービス事業「Moneychat(http://moneychat.life/)」の企画と開発を進める。

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