2023年おすすめのバイオテクノロジー株5選

バイオテクノロジーとは、生物の持つ能力を利用して、人間社会に役立つものを作る技術のことです。医薬品や食品、環境保全など、様々な分野で応用されています。近年では、新型コロナウイルスの感染拡大に対応するために、ワクチンや検査キットなどの開発が急速に進んでいます。

バイオテクノロジーは、高い成長性と将来性を持つ分野ですが、同時に高いリスクも伴います。開発には多額の資金と長い時間がかかりますし、臨床試験や規制のハードルも高いです。また、市場の動向や競合他社の動きにも左右されます。

そこで、この記事では、2023年におすすめのバイオテクノロジー株を5つ紹介します。各銘柄の特徴や事業内容、今後の展望などをまとめました。バイオ株投資に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

また、バイオテクノロジー株について知りたい方は、以下の記事をご覧ください!

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目次

1. カルナバイオサイエンス(4572)

カルナバイオサイエンスは、キナーゼ酵素に強みを持つ創薬ベンチャーです

キナーゼ酵素は、細胞内でシグナル伝達を担う重要な分子であり、がんや炎症などの病気に関与しています。カルナバイオサイエンスは、キナーゼ酵素を標的とする新規医薬品候補を自社で開発するとともに、大手製薬会社との創薬支援事業も展開しています。

カルナバイオサイエンスの自社開発パイプラインには、がんや神経変性疾患などの難治性疾患に対する治療薬が含まれています。中でも注目されているのが、KRAS変異陽性がんに対する経口投与可能な小分子医薬品候補「KBT-176」です。KRAS変異陽性がんは、肺がんや大腸がんなどの一部で見られる遺伝子変異であり、従来の治療法では効果が期待できませんでした。しかし、「KBT-176」はKRAS変異陽性がん細胞の増殖を抑制することが動物実験で示されており、2021年4月に第I相臨床試験が開始されています

カルナバイオサイエンスは、キナーゼ酵素に特化した創薬技術とパイプラインを持つバイオベンチャーです。自社開発と創薬支援の両輪で事業を拡大しており、今後の成長が期待できます。

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2. リプロセル(4978)

リプロセルは、再生医療や創薬研究に関する製品やサービスを提供するバイオベンチャーです再生医療では、自己免疫性疾患や神経変性疾患などに対する治療薬候補を開発しています。創薬研究では、iPS細胞ES細胞から分化させた細胞を用いた創薬支援サービスや試薬の販売を行っています。

リプロセルの自社開発パイプラインには、iPS細胞由来の免疫抑制性メセンキマル幹細胞(iMSC)を用いた再生医療分野で世界初の臨床試験に入った「RCP-01」があります。「RCP-01」は、iPS細胞から分化させた免疫抑制性メセンキマル幹細胞(iMSC)を用いた治療薬候補であり、慢性臍帯炎(クローン病)に対する治療効果を検証しています。2021年9月には、第I/II相臨床試験の中間解析結果が発表され、安全性と有効性の一定の水準が示されました。今後は第III相臨床試験に向けて準備を進める予定です。

リプロセルは、創薬研究事業でも高い実績を持っています。iPS細胞やES細胞から分化させた心筋細胞や神経細胞などの試薬は、世界中の製薬会社や大学などに販売されており、新規医薬品の開発や毒性評価などに活用されています。また、米国の大手製薬会社アストラゼネカとiMSCを用いた創薬プログラムに関する契約も結んでおり、将来的にはマイルストーン支払いとロイヤリティを受け取る可能性があります。

リプロセルは、再生医療と創薬研究の両分野で優れた技術と製品を持つバイオベンチャーです。自社開発と外部提携の両方で収益源を確保しており、今後の成長が期待できます。

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3. ペプチドリーム(4587)

ペプチドリームは、ペプチド(タンパク質の一部分)を用いた創薬ベンチャーです。

ペプチドは、タンパク質と同様に様々な生理活性を持ちますが、低分子化合物と比べて高い選択性や安全性を示します。しかし、ペプチドは分解されやすく、経口投与が困難なことが欠点でした。ペプチドリームは、この問題を解決するために、独自の創薬開発プラットフォームシステム「PDPS(Peptide Discovery Platform System)」を開発しました。「PDPS」は、数兆個もの多様性を持つペプチドライブラリーから、効率的に有望なペプチド候補を選び出すことができます。また、「PDPS」で得られたペプチドは、特殊な環状構造を持ち、分解されにくく、経口投与が可能なものもあります。

ペプチドリームは、「PDPS」を用いて、自社開発と外部提携の両方で創薬事業を展開しています。自社開発パイプラインには、がんや炎症性疾患などに対する治療薬候補が含まれています。中でも注目されているのが、がん免疫療法における新たな標的である「IL-17RA」に対する抗体医薬品候補「PD-17A」です。「PD-17A」は、「IL-17RA」を阻害することで、がん細胞の増殖や浸潤を抑制するとともに、免疫細胞の活性化を促進することが期待されています。2021年9月には、第I相臨床試験の開始が発表されました。

ペプチドリームは、外部提携事業でも高い評価を得ています。世界中の大手製薬会社と多数の創薬提携契約を結んでおり、その中にはアストラゼネカやノバルティスなどのトップクラスの企業も含まれています。ペプチドリームは、これらの提携企業に対して、「PDPS」で得られたペプチド候補やその知的財産権を供与することで、マイルストーン支払いやロイヤリティ収入を得ることができます。

ペプチドリームは、ペプチド創薬のグローバルリーダーとして、優れた技術とパイプラインを持つバイオベンチャーです。自社開発と外部提携の両方で収益源を確保しており、今後の成長が期待できます。

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4. アンジェス(4563)

アンジェスは、遺伝子医学に基づく革新的な医薬品の開発を行うバイオベンチャーです。

遺伝子医学とは、遺伝子や遺伝子産物を用いて、病気の原因や機序を解明し、治療法を開発する学問分野です。アンジェスは、大阪大学の森下竜一教授が発見した「HGF遺伝子」を中心に、様々な遺伝子医薬品の研究開発を進めています。

アンジェスの自社開発パイプラインには、がんや心血管疾患などに対する治療薬候補が含まれています。中でも注目されているのが、末梢動脈疾患(PAD)に対する遺伝子治療薬「コラテジェン」です。PADとは、動脈硬化によって足の血管が詰まり、足の痛みや潰瘍などの症状が起こる病気です。重症化すると切断の必要性が生じることもあります。「コラテジェン」は、「HGF遺伝子」を筋肉に注射することで、新しい血管を作り出し、血流を改善することが期待されています。2021年10月には、第III相臨床試験の結果が発表され、有意な治療効果が示されました。今後は承認申請に向けて準備を進める予定です。

アンジェスは、外部提携事業でも高い実績を持っています。大阪大学などと共同開発している新型コロナウイルス感染症(COVI-19)に対するDNAプラスミドベースのワクチン「AG0301-COVID19」は、「HGF遺伝子」を用いた新たな免疫増強技術である「HGFアジュバント」を採用しており、高い安全性と有効性が期待されています。2021年11月には、第I/II相臨床試験の開始が発表されました。

アンジェスは、遺伝子医学に基づく革新的な医薬品の開発を行うバイオベンチャーです。自社開発と外部提携の両方で事業を拡大しており、今後の成長が期待できます。

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5. オンコセラピー・サイエンス(4564)

オンコセラピー・サイエンスは、がん免疫療法に特化した創薬ベンチャーです。

がん免疫療法とは、がん細胞に対抗する免疫細胞の働きを強化したり、免疫系を回避する仕組みを解除したりすることで、がん細胞を攻撃する治療法です。近年では、「抗PD-1抗体」や「抗CTLA-4抗体」などの免疫チェックポイント阻害剤が注目されていますが、これらの薬剤は全ての患者に効果があるわけではありません。オンコセラピー・サイエンスは、より多くの患者に効果をもたらす新たながん免疫療法の開発を目指しています。

オンコセラピー・サイエンスの自社開発パイプラインには、がん免疫療法における新たな標的である「WT1」や「PRAME」に対する治療薬候補が含まれています。「WT1」と「PRAME」は、多くのがん種で発現が高まる遺伝子であり、免疫原性が高いことが知られています。オンコセラピー・サイエンスは、「WT1」や「PRAME」に対するT細胞受容体(TCR)を持つ免疫細胞を患者に移植することで、がん細胞を特異的に攻撃することを目指しています。2021年10月には、「WT1」に対するTCR遺伝子治療薬「OTS167」の第I相臨床試験の開始が発表されました。

オンコセラピー・サイエンスは、外部提携事業でも高い評価を得ています。2020年9月には、米国の大手製薬会社ノバルティスと「PRAME」に対するTCR遺伝子治療薬の共同開発契約を結びました。オンコセラピー・サイエンスは、ノバルティスに対して最大で約2,000億円のマイルストーン支払いとロイヤリティを受け取る可能性があります。

オンコセラピー・サイエンスは、がん免疫療法に特化した創薬ベンチャーです。自社開発と外部提携の両方で事業を拡大しており、今後の成長が期待できます。

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まとめ

この記事では、2023年におすすめのバイオテクノロジー株を5つ紹介しました。

各銘柄は、それぞれ異なる分野や技術に強みを持ち、自社開発と外部提携の両方で事業を展開しています。バイオテクノロジーは、高い成長性と将来性を持つ分野ですが、同時に高いリスクも伴います。投資判断は、自己責任で行ってください。

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この記事を書いた人

株式会社シュタインズ
「テクノロジー×教育の研究開発」を事業の基盤に、現在は金融教育サービス事業「Moneychat(http://moneychat.life/)」の企画と開発を進める。

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