ChatGPTとは何か、どうやってChatGPTは稼ぐのか？

2023年3月22日

人工知能（AI）研究会社のOpenAIが2022年11月にリリースした無料チャットボット「ChatGPT」が、インターネットを席巻しています。

誕生から数カ月で、ChatGPTはユーザーに衝撃を与え、駐車違反の交渉やワークアウトの計画、さらには子供のための就寝前の物語作成にChatGPTを使うなど、多くのユースケースが想像されています。

人工知能の専門家の中には、ChatGPTが人間とチャットボットの関わり方と、より広範なAIの両方に革命をもたらす可能性があると考える人もいます。

ChatGPTとは？

ChatGPTとは、簡単に言うと、超高性能のチャットボットみたいなものといえば、想像しやすいかもです。企業のカスタマーサービスサイトにある自動チャットサービスのようなものです。

ChatGPTはOpenAIが開発したものです。

ChatGPTの「GPT」とは、「Generative Pre-training Transformer」のことで、ChatGPTの言語処理方法を指しています。

しかし、ChatGPTが過去数十年のチャットボットと異なるのは、ChatGPTが人間のフィードバックによる強化学習（RLHF）を用いて訓練されたことです。RLHFでは、人間のAIトレーナーと報酬モデルを用いて、ChatGPTを間違った仮定に挑戦し、フォローアップの質問に答え、間違いを認めることができるAIに成長させることができます。

ChatGPTはどのように儲けているのか

ChatGPTを開発したOpenAI社は、ChatGPTを広くマネタイズすることはまだしていません。ChatGPTの無料版は、2023年2月23日現在、OpenAIのウェブサイト上で利用可能なままです。

しかし、同社は、独自の目的でモデルを利用しようとする組織に対して、APIをサブスクリプションベースで販売しています。

2023年2月1日、OpenAIはChatGPT Plusと呼ばれる月額20ドルの有料サブスクリプションプランのパイロット版を開始することを発表しました。
加入者は、ピーク時のChatGPTへのアクセス、応答時間の短縮、新しい改善や機能への優先アクセスなどの特典を受けることができます。

ChatGPTのバイラルな成功は、イーロン・マスクが共同設立したOpenAIにとって莫大な価値があるかもしれません。発売から1週間で、100万人のユーザーを獲得しています。
そして、ChatGPTがリリースされた2ヶ月後、OpenAIは公開買付で既存株を売却する可能性を提起し、会社の価値を約290億ドルとし、最も価値のあるスタートアップの1つとなりました。

ChatGPTのメリット

このように、ChatGPTには数多くの活用の可能性があります。チャットボットのような直接的なものから、もっと曖昧なものまで様々で、今後、検索エンジンを含め、ユーザーはこの技術の活用方法を模索していくことでしょう。

チャットボットは何年も前から存在していますが、ChatGPTは、以前のモデルの分かりやすさ、流動性、徹底的な改善と見なされています。OpenAIが提供するChatGPTの高度さを示すものとして、ボットを騙すように設計された、クリストファー・コロンブス（と思われる）が2015年に米国に来た時期について質問するものがあります。ChatGPTの回答は、コロンブスが2015年に米国に来たわけではないが、もし来たとしたら彼がどのように反応したかをいくつか想定できることを明らかにし、トリックを簡単に回避しています。

ChatGPTのデメリット

OpenAIは、モデルのプレゼンテーションの中で、現在存在するChatGPTの制限をいくつか挙げています。例えば、ChatGPTは首尾一貫しているが正しくない文を書くことがある、曖昧なクエリを仮定する、モデルが過度に冗長になる傾向がある、などの懸念があります。

ChatGPTは公開から数週間で、AIが書いた論文や課題を作成するために学生の間で使用されたとされ、大きな話題となりました。
ChatGPTが不正行為に悪用される懸念が大きくなり、プリンストン大学のコンピュータサイエンスの学生が、ボットが作成した文章を識別して公開することを目的としたアプリを作成しました。

一部の人にとって、ChatGPTはさらに深刻なリスクをもたらすでしょう。例えば、マルウェアやフィッシング攻撃をより巧妙にするためにボットが使用される可能性や、ハッカーがこの技術を利用して、コントロールが不十分な独自のAIモデルを開発する可能性があると予測するアナリストもいます。誤報に関する懸念が広まる中、ChatGPTが政治的な性質の説得力はあるが誤解を招くような資料を作成し共有するために利用される可能性に特に敏感な人もいます。

最近のChatGPTの動向

2023年1月、Microsoft Corp.（MSFT）はChatGPTの生みの親であるOpenAIに100億ドルを投資すると発表しました。この技術大手は、ChatGPTを支える技術を利用して、他社が独自にカスタマイズしたチャットボットを作成できるようにする可能性があります。ChatGPTは、マイクロソフトの検索エンジンBingの活性化にも貢献する可能性があります。

テック企業は、従来の検索モデルの代替としてChatGPTや同様の高度なチャットボットの利用に注目しており、チャットボットの将来像として、ウェブサイトへの大量のリンクリストではなく、検索プロンプトに対して単一の明確な回答を提供できるようになることを掲げています。

MicrosoftのChatGPTベースの検索に向けた動きは、Alphabet Inc（GOOG）の1490億ドルをかけたGoogle検索エンジンにとって1つの脅威となっています。
Alphabetの幹部は、ChatGPTとそのオンライン上の情報検索プロセスを根底から覆す可能性のニュースに対して、「コードレッド」を発令し、リソースをAI開発に振り向けると報じられています。Googleは2023年に、AIを使った20個近い新製品を発表すると見られています。

GoogleはChatGPTに直接対抗するために、独自のチャットボットも発表しています。Bardと呼ばれる同社のチャットボットは、既存の大規模言語モデルLamdaを活用しています。

マイクロソフトは、ChatGPTの自社サービスへの統合を開始するために迅速に動き出しました。2月1日には、このチャットボットを搭載したTeamsサービスのプレミアム版を発表しました。このサービスは、6月から月額7ドル、7月からは月額10ドルで提供される予定です。アップグレード版のTeamsでは、ChatGPTを使用して、会議メモの生成、テンプレートの作成、タスクの推奨を行う予定です。