時間割引率とは、将来の価値を現在の価値に評価するときに割り引かれる率のことを指します。
要は、「今すぐ手に入る報酬よりも、将来手に入る報酬を低く見積もる」ことです。
割引率は、報酬を受け取る時点(s: 遅れと呼ぶ)に依存するだけではありません。二つの選択肢の時点の差(t-s: 期間と呼ぶ)や金額(x)にも依存します。
①今日の1億円と一年後の1億500万円のどちらが良いか
②今日の100円と1年後の105円のどちらが良いか
ほとんどの人が①では1年後を選ぶのに対し、②では現在を選びます。
実際、大阪大学の研究チームが実施した経済実験によると、金額効果の影響は大きく、xが1000万円だと割引率は1%くらいなのに、3000円だと30%という結果が得られています。もちろんその他の影響もあるでしょう。
これに対し、期間効果というのは直感的にわかりにくい効果です。一週間お金を借りるのに、例えば週率で1%の金利を払っても良いと思っている人がいるとします。この人が三週間借りる場合は、週率で1%(三週間で3%)よりもっと払っても良いと考えるでしょうか?それとも、1%より低い率でないと嫌というでしょうか?
経済実験の結果は。明確に、期間が長いほど人は低い割引率を示します。これは金額効果ほどではありませんが、双曲割引効果(遅延効果)よりもはっきり認められます。
金額効果と期間効果によると、人々は少額を短期間借りる場合は、高い割引率を持っているので、高い金利を払っても良いと考える傾向があることがわかります。
消費者金融の金利は一般的に高金利ですが、その理由の一部は、この金額効果と期間効果にあるかもしれませんね。