これポンジスキーム?高級時計シェア「トケマッチ」の突然の解散と預けたロレックスが戻らないトラブル

大阪市に拠点を置く高級腕時計のシェアリングサービス「トケマッチ」が、予期せぬ解散を発表し、多数の顧客が混乱しています。このサービスでは、オーナーから預かった高級腕時計をレンタルし、その使用料をオーナーに預託料として支払う仕組みでした。

ある男性は、約100万円の価値があるロレックスをトケマッチに預け、月34900円の預託料を受け取る予定でした。しかし、突如として会社が解散を発表し、サイト上には「1月31日をもって解散する」との通知が掲載されました。この男性は現在、預けたロレックスが返却されておらず、電話やメールでの問い合わせにも応答がない状況です。

同様に、4本の高級腕時計を預け、約75000円の収益を見込んでいた別の男性も、現在までに返却されていない状況にあります。トケマッチからの説明不足と突然の解散発表により、詐欺や横領の可能性も懸念されています。これらの事例は、高級品を預ける際のリスクを浮き彫りにしており、関係者の間で大きな衝撃を与えています。

詐欺については過去に何度も解説しています。絶対に引っかからないように勉強してください。

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目次

高級時計シェアサービス「トケマッチ」解散の波紋

「トケマッチ」、高級腕時計のシェアリングサービスに関する深刻な問題が発生しています。SNS上で作られたトケマッチの利用者グループによると、570本以上の高級腕時計が返却されていない状況です。更に深刻なのは、一部の時計が市場で売買されている情報もあり、同じシリアル番号の時計が流通している可能性が指摘されています。

この事態により、中国春節の開始と同時に、海外への輸出や海外のバイヤーによる購入によって、時計の回収が困難になる恐れがあります。サービス利用者の一人は、運営会社に連絡を試みましたが、返答は得られませんでした。この利用者は「自分がうまい話に騙された」と後悔し、警察に早急な対応を求めています。

「トケマッチ」は所有者から時計を預かり、貸し出すサービスを提供していましたが、突然のサービス終了と運営会社の解散が発表されました。所有者グループによれば、少なくとも577本の時計が関係しており、運営会社はサイト上で「6カ月を目安に返却する」としていますが、所有者との連絡は途絶えています。この状況は、所有者にとって契約解除の権利が生じる可能性を示唆しており、法的な措置が必要となる可能性があります。

トケマッチ利用の5つのリスク

「トケマッチ」に高級時計を預ける際のリスクを考慮することが重要です。批判的な視点から、このサービスの潜在的な問題点を5つ挙げてみました。

  1. 不透明なユーザー情報:他の利用者の背景や取引履歴などの情報が不透明であるため、信頼性に疑問が生じます。
  2. 「ノーリスク」の誤解:いかなる投資もリスクを伴います。ノーリスクを謳うサービスには注意が必要です。
  3. 異常に高い利回り:通常、非常に高い利回りは高リスクを伴います。不自然に高い利回りは潜在的な危険を示唆しています。
  4. 浅い事業歴:新しい企業やサービスは、長い運用歴がないため、その信頼性や持続可能性が未知数です。
  5. 瞬時に通るアフィリエイト審査:審査プロセスが不十分な場合、サービスの質やセキュリティに疑問が生じます。

これらの懸念事項を理解した上で、もし高収益を求める方がトケマッチを選択するならば、最悪のシナリオとして時計が戻らないリスクを覚悟する必要があります。このサービスは、そのようなリスクを受け入れられる方にとっては魅力的な選択肢になるかもしれませんが、慎重な判断が求められます。

1. 不透明なユーザー情報

トケマッチは高級時計のシェアリングサービスとして注目されていますが、ユーザー情報の不透明さが大きな懸念点となっています。サービスの信頼性を測る際、利用者の口コミや経験談は重要な要素ですが、この点でトケマッチは情報が限られているようです。

  • 情報源の不足: ツイッター、インスタグラム、ウェブサイトの検索では、実際にサービスを利用したユーザーの口コミや評判を見つけることが困難です。これは、サービスの透明性やユーザー経験に関する情報が不足していることを示唆しています。
  • 公式コミュニケーションの一方向性: トケマッチの公式ツイッターは、主に時計のオーナーをターゲットにした内容で、ユーザーからのフィードバックや実体験に基づく情報提供は見られません。
  • ユーザー向け情報の欠如: サービスのウェブサイトには、ユーザー向けの情報やレンタル料の割引キャンペーンなどが限られています。これは、ビジネスモデルが主にオーナーに焦点を当てていることを示している可能性があります。
  • キャンペーンの偏り: 2023年8月現在、ユーザー向けのキャンペーンは充実していますが、それまではオーナー向けのキャンペーンの方が顕著でした。これはサービスのマーケティング戦略がオーナーに重点を置いていることを示唆しています。

これらの点から、トケマッチの透明性と信頼性に疑問が生じます。特に、ユーザーのリアルな体験談や評判が見当たらないことは、利用を検討している人々にとって重要な懸念材料となり得ます。サービスを利用する前にこれらの点を十分に考慮し、慎重な判断をすることが推奨されます。

それと、トケマッチの運営会社のwebサイトが情報少なすぎて信用性が低いですね。代表の顔写真も載っていません。

詐欺は、自分でよく調べない人をターゲットにするので、こういう情報を見る前に手を出そうとしていたならば、あなたは自分の行動をよく見直す必要があります。

2. 「ノーリスク」の誤解

トケマッチのようなシェアリングサービスにおいて、「ノーリスク」という言葉は多くの疑問を呼びます。特に、投資においてはある程度のリスクが付き物であるため、トケマッチの報酬システムに対する違和感は理解できます。

  • 報酬システムの不自然さ: 通常、シェアサービスはレンタル料の一部をオーナーへの報酬として還元しますが、トケマッチでは、腕時計がレンタルされなくても固定の預託使用料を支払うと公式サイトで記載されています。このシステムは、レンタルの有無にかかわらずオーナーに利益を保証するという点で疑問を投げかけます。
  • 事業モデルの持続性に疑念: レンタルされない時計に対しても定期的に使用料を支払うビジネスモデルは、事業の持続性の観点から懸念を抱かせます。通常、レンタル収益がなければ、オーナーへの支払いも発生しないはずです。トケマッチがこのモデルをどのように持続可能にしているのか、その理屈は透明ではありません。
  • 赤字リスクの高さ: レンタルされていない時計に対しても報酬を支払うというモデルは、事業の収益性に対して大きなリスクをもたらします。レンタルされない期間が長くなればなるほど、トケマッチは赤字に陥るリスクが高まります。

トケマッチの「ノーリスク」報酬モデルは、表面上は魅力的に見えるかもしれませんが、事業の持続可能性や収益性を考えると、多くの疑問とリスクが存在します。投資やサービスの利用を検討する際は、これらの潜在的なリスクを十分に理解し、慎重な判断が必要です。

3. 異常に高い利回り

トケマッチのシステムは一見、投資家にとって非常に魅力的な利回りを提供しているように見えます。具体的には、ロレックスのエクスプローラー1の例を用いて、年間の利回りが約18.4%になるという計算が示されています。これはアメリカの著名投資家ウォーレンバフェットの平均利回りに近い数値であり、表面上は非常に魅力的です。

しかし、この高利回りにはいくつかの注意点があります。

  • 高利回りの誤解: 一般的な株式投資の平均利回りが長期的に5%前後であることを考慮すると、トケマッチの18.4%という利回りは非常に高いです。しかし、このような高利回りはしばしばリスクの高さを示しており、投資としてのリスクとリターンのバランスを慎重に考慮する必要があります。
  • 現実性の疑問: トケマッチのモデルが時計を預けるだけで高利回りを得られると謳っていることは、一般的な投資の原則とは異なります。通常、高利回りはそれに見合った高リスクを伴うものですが、トケマッチのケースでは、そのリスクが十分に明らかにされていない可能性があります。
  • リスクの検討: トケマッチに預けられる時計の価値や市場動向、シェアリングサービス自体の持続可能性など、多角的な視点でのリスク評価が不可欠です。また、利回り計算においても、市場の変動やその他の要因が考慮されていない可能性があります。

トケマッチの利回りは一見して魅力的ですが、その背後にあるリスクを十分に理解し、投資決定を行う際には慎重な検討が必要です。特に、伝統的な投資方法と比較して異常に高い利回りを謳うサービスに対しては、より一層の注意が求められます。

4. 浅い事業歴

トケマッチのサービスは2021年1月に開始され、その運営実績について検証する際、過去の高級車カーシェア詐欺事件との比較が重要です。2018年にスタートしたS社のカーシェア事業は、オーナーに高級車を中古で購入させ、預けることで定額の報酬を提供していました。しかし、事業は2020年10月に突然停止し、翌月には破産しました。この事例は、高額な紹介料や無リスクの報酬をうたい、実際は多くのオーナーが負債を負う結果となりました。

このケースから学ぶべき点は、リスクがないとされる投資が必ずしも安全でない可能性があることです。また、紹介制度がマルチ商法的な拡大を促していたことも、投資のリスクを高める要因でした。こうした事例は、ポンジスキーム詐欺の可能性があると指摘されています。

しかし、トケマッチとこのカーシェア事業には以下の重要な違いがあります:

  1. ローン問題:トケマッチは、ユーザーに高額なローンを組むよう勧めていない。
  2. 紹介制度の有無:トケマッチには紹介制度が存在しない。

これらの違いにより、トケマッチは一定の信頼性を有していると考えられます。しかし、過去の事例を踏まえ、投資判断には慎重な分析が必要です。ポンジスキームのような詐欺手法は古くから存在し、リスクなしで高利回りを提供する申し出には冷静な判断が必要です。トケマッチを利用する際には、これらの点を考慮に入れ、総合的なリスク評価を行うことが重要です。

5. 瞬時に通るアフィリエイト審査

トケマッチに関する最後の懸念点は、そのアフィリエイトプログラムの審査が異常に速いことです。通常、ブログに広告を掲載するためのアフィリエイト審査には、最低でも1時間から1日程度は要するのが一般的です。しかし、私がトケマッチの審査を申し込んだとき、審査がほぼ瞬時に通過したことに、強い違和感を覚えました。

この速さは、通常のビジネスプラクティスから逸脱しているように思え、トケマッチが「誰でもよい、ただ広告してほしい」という姿勢を持っているように感じられます。このような審査の速さは、トケマッチの信頼性について疑問を投げかけます。アフィリエイト審査があまりにも容易に通ることは、ビジネスの透明性や信頼性に対する疑念を深める要因となり得ます。

したがって、トケマッチを推奨する際には、このような点も考慮に入れ、総合的な評価を行う必要があります。特に投資やビジネスモデルに関わる場合は、慎重な審査と分析が不可欠です。

まとめ

この記事では、高級腕時計のシェアリングサービス「トケマッチ」を利用する際の懸念点を、詳細に検討しました。多くの人が時計を預けることに対して抱く不安を理解し、そのための具体的な理由を5つ挙げて解説しました。これらの理由は、時計の所有者がトケマッチを利用する際に必ず考慮すべき重要なポイントです。

時計はただのアクセサリーではなく、大切な資産であり、それを預ける際には慎重な判断が求められます。トケマッチに関して紹介したこれらの懸念点を踏まえた上で、それでもトケマッチが良い投資先であると納得できれば、それに越したことはありません。しかし、慎重に各ポイントを検討し、総合的な判断を下すことが肝心です。利用者の安全と資産の保護を最優先に考え、投資や資産運用の決定を行うことが重要です。

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この記事を書いた人

株式会社シュタインズ
「テクノロジー×教育の研究開発」を事業の基盤に、現在は金融教育サービス事業「Moneychat(http://moneychat.life/)」の企画と開発を進める。

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