貯金から貯蓄へ!「新しい資本主義」とはをわかりやすく解説!

岸田首相が新しい資本主義を掲げた当初は、その内容に対して不安視する声がたくさんありました。

アベノミクスとの差別化をはかったのはいいものの、景気がよくなるかどうかについて疑問の声が多く聞かれました。しかし、最近ではこの状況が変わりつつあります。以前は批判的な声が多かった新しい資本主義が、なぜ今頃になって支持を集めるようになったのでしょうか。

そこで今回の記事では、これまでの経済政策の流れから、最近支持を得るようになった新しい資本主義の本質について、わかりやすく解説します。

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目次

貯金から投資へ

1880万円。これは2人以上の世帯の平均貯蓄額です。

もちろん、これらの貯金ゼロの人から何億円も持っている人まで、全部を押しなべて平均した額なんですが、実は2002年以降で最も多くなっています。この貯蓄を投資に使いましょうよということを政府が打ち出したんです。

現在の日本の家計は、家庭のお金ほとんどが貯蓄に回っているために経済の価値力に繋がらないと言われています。ではこの眠っているお金を成長が見込める企業に投資すれば、企業の活動が活発になって経済が活性化し、その恩恵が回り回って家計に戻ってくる。こうした循環を促す方策として、少額投資非課税制度のNISAを広げていこう。そして個人の資産を豊かにする方策として、知的年金制度の入れ子をしっかり構築しようという計画なんです。

しかし、投資しようと思ってもその投資するお金がないっていう方も多いですよね。貯蓄高の平均線1880万円と言いますけれども、これはたくさん持っている人に引っ張られている数字なんですよね。

40歳未満の平均貯蓄額は726万円、40代で1134万円、50代は1846万円、60代が2537万円、70歳以上は2318万円。若い世帯の家ではそんなにお金ないんですよ!住宅費や教育費に追われるという現状もあります。

一方で今回政府は様々な分野で投資を活発にしていきたいしているんですね。転職やキャリアアップのために今後3年間で国が4000億円規模の予算を投じる計画です。さらに科学技術や起業、それからクリーンエネルギーやデジタル化、こういうところに積極的に投資していこうということなんです。それを民間の力だけでなくて官民一体でやっていきましょういうことなんですよね。

個人が投資にお金を使うし、企業が設備投資にお金を使う、そういう高いマインドと言っても企業と個人がやっぱりちょっと考え方が違います。その中でも大切なことは、みんなが持っている現金の価値が目減りしているのを確認しているかということです。

例えば、iPhoneの値段ってアメリカのインフレもあると思いますけど10年で3倍ぐらいになってますよね。それに引っ張られて現金の価値が目減りしていると思うんですよね。昔は寝ている間に資金を増やすっていうことで、昔は銀行に皆さん預けてたわけじゃないですか。その世代が多分銀行に預けっぱなしになっているっていうのが一つ大きな問題で、あの時代はもう終わってしまいました。今は一人一人が自分の分かる資産、例えばビットコインを持つ人もいれば、金塊を持つ人もいる。そうやって貯金だけじゃなくて他の現物資産、例えばNISAとかでもいいんですけど、分散させて持つってことはやっぱり必要なのです。

いやいや、貯蓄を投資に回せる方はいいですけど、お金がない方はどう増やしていけばいいんですか?と思う方も多いでしょう。

投資に回す前に目減りする前に処分しないといけない財産があるんじゃないかと思います。例えば何かこのままほっとくとボロ家になる家とか、あと維持コストがすごくかかるようなものとか、今後投資に回せるような資産に変換するっていうのは、早めにやっておいて損はないことだと思います。

日本の経済政策の変遷と新しい資本主義の動向

まず、新しい資本主義を解説する前に、これまで日本が実施してきた政策について見ておかなければなりません。これまでの政策、つまりアベノミクスの時代は、新自由主義の方針がとられていました。新自由主義とは、経済政策における考え方の一つで、アメリカのレーガン政権やイギリスのサッチャー政権、そして日本では小泉政権がこの政策を導入していたことで有名です。

新自由主義の特徴と岸田首相の新しい資本主義

新自由主義の特徴は、政府の社会への介入が最小限であることです。

インフラをはじめ、政府が国民に提供する公共サービスも縮小させて社会の運営を国民に任せることで経済を活発化させます。企業は利益を生み出すためにサービスを提供しますが、複数の企業が競争することで、適正な価格で適正なサービスが提供されるようになります。しかし、市場で競争が生まれるということは、競争に負ける人たちも出てくるということです。お金を稼げる人は多く稼げますが、能力のない人は貧困化していきます。

これまでの日本は中曽根首相から小泉首相、安倍首相まで新自由主義の流れが受け継がれ、新自由主義に傾きすぎた政権が続いてきた状態にありました。岸田首相が唱える新しい資本主義は、この新自由主義による貧富の差の拡大に対処しようとするものです。

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アベノミクスの問題点とは? 賃金の増加なくして本当の景気回復は難しい

安倍元首相が掲げたアベノミクスの問題点は何だったのでしょうか?

アベノミクスでは大胆な金融緩和を進め、日銀が国債の買い入れを実施しました。日銀が国債を買うことで市場にお金が供給され、市場のお金量が増えます。これにより国内の企業が潤い、労働者への給料も増えるはずでした。給料が増えることで国民の購買意欲が刺激され、経済が活性化するというのが期待されたのです。

結果として、株価は民主党政権の時と比べて倍以上に上昇し、投資家や資本家たちの利益も増加しました。これによって本来であれば賃金も上昇し、少しずつ物価も上昇していくはずでした。

しかし、肝心の国民の賃金が増加せず、物価の上昇も限定的でした。アベノミクスが成功していると見なされた理由には、失業者の減少が挙げられます。全都道府県で求人倍率が1倍を超える状況になり、企業が人材を求めているかのように見えました。しかし、実態は企業が事業拡大のために人材を確保しようとした結果ではありませんでした。

引退していく団塊の世代の穴を埋めるための人材確保が十分できていなかったことが、人材不足の原因でした。景気拡大に伴う人材不足であれば賃金が上昇するはずでしたが、アベノミクスを10年続けても国民の所得は増えず、生活に困難を抱える人が増加しました。

金融緩和と資本の動き

では、金融緩和によって市場に広くまかれたお金は、果たしてどこに流れたのでしょうか。

実は、そのほとんどは労働者の給与には回らず、むしろ企業が蓄えてしまいました。今の日本のGDPの約8割は国内需要によるものです。つまり、日本企業の儲けの8割は国内の人々に提供されるサービスから生まれています。

しかし、日本は今、人口が右肩下がりで少子高齢化が進行しています。企業にとっては、国内で経済活動が縮小する中で、将来的な利益の拡大は期待できません。この不安が広がる中で、企業は得たお金を将来の備えとして蓄える方針に傾いたのです。企業は正社員の数を減らし、代わりに派遣契約やアルバイトなど、固定費のかからない雇用形態を採用しました。総労働量は変わらずとも、総賃金は減少し、労働者は不安定な状況に直面しました。言い換えれば、株価が倍になったとしても、賃金は増加せず、むしろ資本家だけが利益を上げた結果となりました。こうした状況で新しい資本主義が台頭しました。

岸田首相の分配重視の姿勢は、これまでの安倍菅政権とは対照的であり、その結果支持率が上昇しました。アベノミクスの問題点を解消し、政府が所得の再分配を通じて格差を減少させようとの試みでした。しかし、具体的な政策を見ると、岸田首相のアプローチは主に分配に焦点を当て、それが問題視されました。分配に偏りすぎるといくつかの問題が生じます。例えば、年金の問題。現在の日本の労働人口は約6800万人と考えられていますが、そのうちすでに年金を受け取っている人もいます。実際の現役世代はおおよそ6000万人程度です。この現役世代が経済的に苦しい状況が、日本経済の閉塞感を生む要因とされています。

一方で年金受給者は約4000万人、子供は約2000万人です。これからも年金受給者が増えることが予想されています。では、資本家が得たお金を現役世代に分配するとどうなるでしょうか。

現役世代の収入が増え、子供を楽に育てる未来が広がります。しかし、資本家の利益を過度に減らせば株価が下落します。本来企業には資本提供が求められており、その利益を削ることで株価が下がるのは当然のことです。ところが、この株価の下落が私たちに直接影響を与えます。私たちが老後のために支払っている年金保険は、全国の現役世代から集められ、その一部は債券や株に投資されています。何十年にもわたり築いた資産の運用利益で、将来の年金は支えられています。

しかし、株価が下がるとその利益は減少します。つまり、株価の低下は年金の不安に直結し、それが年金受給者の支出抑制となり、結局は国全体の消費が縮小します。その結果、現役世代の収入も減り、年金の支給額が減少する可能性が生まれ、こちらも消費意欲が低下します。要するに、分配重視は格差縮小には寄与するものの、成長の仕組みがない限り、分配自体もなくなってしまう可能性があるのです。経済が成長することで労働者の収入が増え、国も成長し続けます。この成長こそが最も重要ですが、資本家が優遇されることでなく、むしろ非難される国において、どれだけの人が投資するかは疑問です。

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だからこそ、成長を促進するためには、資本家との良好な関係が不可欠です。成長した利益を分配し、それが再び成長につながって分配が増えていく好循環が重要です。こうした理念こそが岸田総理の主張であり、今回の実行計画では成長を促進するための投資が重要な柱となっています。健全な成長を促進するためには、資本家を優遇する必要があり、この点で新しい資本主義はアベノミクスと同様のアプローチを取ることでしょう。

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成長への期待と財政の課題

安倍政権とは少し違うアプローチを採るのが岸田政権の特徴です。

岸田政権の計画では、ITやデジタルなどの実際の産業に焦点を当て、すぐに実力を発揮できる能力を育てることが狙いです。たとえば、大規模な職業訓練など、資本家経営者のニーズにマッチした具体的な取り組みが計画されています。これにより労働者の生産性向上を図り、企業の利益と労働者の賃金を両方とも増やすことが意図されています。この循環が機能すれば、企業は積み上げた資金を労働者に還元することになります。同時に、企業にとって有益な人材を育てるための投資が行われ、これが国内外の資本家や投資家にアピールされ、日本経済の成長を促進し、労働者の賃金を増やしていくのが狙いです。

しかしこうした取り組みを実現するには、多額の公的資金が必要です。そのため、財政再建の目標が後退する可能性があります。目標とされていた2025年の基礎的財政収支の黒字化が削除されたことは、財政に不安を抱く人々にとっては無視できない重要な点でしょう。こうした決定によって、日本の財政が危機に近づいている可能性も否定できません。

それでもなお、岸田政権は成長と分配の好循環を築くために新しい経済政策を打ち出しました。新しい時代における新しい産業分野に重点を置き、そこでスキルを身につけるための国家的な投資を進める方針を採りました。高いスキルを持つ労働者が多く存在し、企業がノウハウを持っていれば、経済は必ず復活するとの信念が込められています。新しいアイディアや導入には批判もつきものですが、岸田政権が徐々に評価を上げていることは、日本の将来に希望を抱く材料と言えるでしょう。経済と財政の課題を克服し、日本が経済的な巻き返しを果たせるかどうかは、この新しい資本主義が大きく左右することは確かです。

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この記事を書いた人

株式会社シュタインズ
「テクノロジー×教育の研究開発」を事業の基盤に、現在は金融教育サービス事業「Moneychat(http://moneychat.life/)」の企画と開発を進める。

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