株式会社fonfun(フォンファン、英語名:fonfun corporation)は、主にインターネットを利用したサービスを提供する日本の企業です。
この会社は特にインターネット対応の携帯電話向けに、さまざまなコンテンツとサービスを開発しています。こ
れには、例えばモバイルアプリケーション、ウェブサイト、または他のデジタルメディアプラットフォーム用のサービスなどが含まれる可能性があります。
簡単に言えば、株式会社fonfunはデジタル時代の消費者が使用する様々なモバイルとインターネットベースの製品やサービスを提供する会社です。
そこで今回は、株式会社fonfun(フォンファン)について、決算も含めて迫っていきたいと思います!
フォンファン(fonfan)とは?
フォンファンは、インターネット対応の携帯電話向けに、さまざまなコンテンツとサービスを開発しています。(フォンファンの事業)。
項目 | 内容 |
---|---|
会社名 | 株式会社fonfun(フォンファン) |
設立 | 1997年03月03日 |
資本金 | 100,000千円 (2021年1月25日現在) |
証券コード | 2323 |
上場取引所 | 東京証券取引所スタンダード市場 |
所在地 | 東京都渋谷区笹塚2-1-6 JMFビル笹塚01 6階 |
代表者 | 代表取締役社長 水口 翼 (2023年6月28日より) |
従業員数 | 31名(2023年7月1日現在) |
事業内容 | インターネット対応携帯電話向けサービスを中心とした様々なコンテンツ・サービスの提供 |
適格請求書発行事業者登録番号 | T6011301016389 |
1999年にリモートソリューション事業「リモートメール」を開始し、2002年に上場を果たします。その頃は、社名も「フォンファン」ではなく「ネットビレッジ」でした。
その後、「fonfan SMS」というSMS事業を進め、会社とサービスの成長を進めてきました。しかし、スマートフォンの著しい変化や競争の激化などにより、苦戦を強いられているようです。
フォンファンのテックカンパニーとしての再興
当社は東証スタンダードに上場していますが、流通時価総額に関する上場維持基準に抵触する状況にあります。これを克服するために、2021年には「中期経営計画(2021年12月から2025年3月)」を策定しました。ただし、当社の目標は単に上場維持ではなく、中長期的に企業価値や株主価値の最大化を図ることにあります。
新しい経営陣のもと、今後の大きな成長を目指すための新しい中期経営計画を策定しました。また、より長期的な展望を含む経営ロードマップも作成しています。
- 2025年3月の数値目標
- 売上:11.0億円
- 営業利益:2.2億円(利益率20%)
- 2026年3月の数値目標
- 売上:20.0億円
- EBITDA(利払い、税金、減価償却前の利益):4.0億円(利益率20%)
エンジニアを積極採用!
株式会社フォンファンでは、現在の社員の中でエンジニアの割合は10%強です。
今後の戦略として、国内でのエンジニア採用を積極的に行い、さらにアジアを中心に海外オフショア開発への展開を計画しています。2026年12月までには、当社グループ全体でのエンジニア人数を100名に増加させる目標を立てています。
- 国内のソフトウェア開発会社やSES企業のM&A(企業買収)を通じて、国内でのエンジニア人材を増やします。
- 海外のオフショア開発企業のM&Aによって、国際的なエンジニアリング能力を強化します。
- リスキリング(再教育)プログラムを導入し、現在の社員のエンジニアとしての育成を行います。
フォンファンの新規事業
データ、テクノロジー、ビジネスの深い理解を基に、DXソリューション事業を推進し、クライアント企業と共にイノベーションを実現することが、フォンファンのの新規事業の中核となっていくようです。この取り組みにより、企業や社会のデジタル化を加速し、長期的な企業価値の向上を目指します。
事業内容
- IT/ソフトウェア人材によるソフトウェア開発
- マーケティング・UI/UXクリエイティブ事業
- データとプロダクトを活用したコンサルティング事業
事業の方針・コンセプト
- 企業や社会全体のレガシーシステムのDX化: 既存のシステムをデジタル化し、効率化・最適化を図ります。
- デジタル専門人材・高度人材の育成と拡大: 企業のデジタル化に必要な専門スキルを持つ人材を育成し、ビジネスの成長を支えます。
- エンタープライズ顧客向けの売上獲得と拡大: 大企業のニーズに応じたサービス提供を通じて売上を拡大します。
- 事業を通じたストック収益の確保と成長: 継続的なサービス提供により、安定した収益を確保します。
事業実現のための要素
- データ: データのモニタリングと計測、再定義を通じてAIによる解析と活用を図ります。
- テクノロジー: テクノロジーは手段として活用し、人・AI・ソフトウェア・インフラの組み合わせで最適な解決策を導き出します。
- ビジネス: クライアント企業の業界構造と事業構造を深く理解し、ビジネスとテクノロジーの専門人材を活用して、クライアントのニーズに合わせた提案を行います。
既存事業の再編成とSMS及びリモートソリューション事業の展望
既存事業の再編成により、SMSソリューション事業とリモートソリューション事業は新たな展望を迎えています。SMS事業では汎用性と業界特化のバランスを重視し、リモートソリューション事業では国産のセキュアプロダクトとしてのポジショニングを強化しています。これらの取り組みにより、安定した成長と収益の獲得を目指しています。
SMSソリューション事業
- 汎用モジュールの強化: SMSソリューション事業では、さまざまな用途に適応可能な汎用モジュールの強化に注力しています。
- 業界特化型フロントエンド機能の強化: 各業界に特化したフロントエンド機能を強化し、より専門的なニーズに対応します。
- 大量・多目的送信のスケーラビリティ確保: 多量のSMSを多目的に送信するためのスケーラビリティ(拡張性)の確保に力を入れています。
リモートソリューション事業
- 国産セキュアプロダクトのリブランディング: この事業では、信頼性の高い国産セキュアプロダクトとしてのリブランディングを行っています。
- 大手企業、政府・行政への再アプローチ: 大手企業や政府・行政機関に対して再度アプローチを行い、ビジネス機会を拡大します。
- 安定品質と安定収益の持続: 高い品質の維持により、安定した収益の継続を目指します。
また、IRやSRに今後力を入れていくようなので、今後の投資家との交流や情報発信にも期待です!
フォンファンの業績(2024年3月期) 第3四半期決算
ここから決算情報を通して、フォンファンの業績を見ていきましょう。
決算短信の情報は少なかったので、決算発表資料の方を重点的に見ていきたいと思います。
当社の第3四半期累計期間(2023年4月1日~2023年12月31日)において、日本経済は正常化に向けて進んでおり、景気の緩やかな回復が期待されています。しかし、金融引き締めの動きやウクライナ情勢の長期化など、食糧・資源・エネルギー価格の上昇、半導体や各種部材不足の影響も受けて、経済の先行きは不透明な状況が続いています。
当社を取り巻く市場環境においては、スマートフォン市場が中心となり業界再編が進んでいます。2023年9月末時点の携帯電話契約数は2億1,552万件と、前年同期比で5.1%増加しましたが、大幅な契約数増加は見込めない状況です。総務省主導の政策の影響で、携帯電話端末の価格と通信料のバランスに変化が生じています。仮想移動体通信事業者(MVNO)の存在感が増しており、売上高(ARPU)は微減しています。これにより、主要通信キャリアのビジネスモデルも大きく変化すると予想されます。
SMSサービス市場については、2023年度は44.6億通、2023年度から2028年度までの年平均成長率が26.4%と見込まれています。しかし、競合企業による低価格化の流れが顕著となり、売上高及び営業利益は成長に比例しない状況となっています。これに対する迅速な対策が当社の重要な課題となっています。
これらの市場環境下で、当社は顧客の生活を豊かに便利にするツールを提供できるように、既存事業の収益を維持し、2023年9月25日に発表した中期経営計画に沿って進めています。この計画には、規模拡大とエンジニア確保を目的としたM&A推進のための新組織立ち上げも含まれています。当社はこれらの計画を実行に移すことで、将来にわたって安定した成長を目指しています。
業績進捗状況と年度比較
今期、24年3月期の第3四半期では、売上高進捗率が75%、営業利益進捗率が83%となりました。これは、第3四半期の売上高と営業利益が直近10期間で最高の数字を記録したことを意味しています。
具体的には、第3四半期の売上高は503百万円に達しました。同時に、営業利益は51百万円となり、これも直近10期間の中で最高の数値です。このような成果は、当社の効果的な経営戦略と市場でのポジショニングによるものであり、今後も持続的な成長が期待できるかもしれません。
BS/PL
本年度の損益計算書を見ると、SMS事業と受託システム開発事業の売上が増加しました。さらに販売管理費の増加を抑えることができたため、営業利益と経常利益は前年同期比で大きく増加しています。
具体的な費用についての詳細を見ると、TOB(株式公開買い付け)対応のために弁護士費用など約7百万円を支払い手数料として計上しています。また、保険金収入として20百万円が営業外収益に計上されました。さらに、子会社の合併により生じた株式の消滅に伴う差益42百万円は、特別利益に計上されています。
これらのデータから、当社の財務状況や業績の動向を理解することができます。営業利益と経常利益の増加は特に注目すべきポイントで、事業の効率化と収益性の向上が実現されていることが見て取れます。
貸借対照表を見ると、純資産が増加する一方で、借入金の返済が進んで負債が減少し、自己資本比率が69.4%まで改善しました。これは、会社の財務健全性が向上していることを示しています。
金融機関との取引に関して、当社は運転資金の調達から事業構造の変革を支援するパートナーへの見直しを進めています。この取組みは、より安定した財務基盤の構築につながります。
固定資産の減少については、主に前期までに行われたM&A(企業の合併や買収)によるのれん(企業のブランド価値や顧客基盤などの無形資産)の償却額31百万円が原因です。
また、負債合計の減少は、主に借入金の返済額154百万円によるものです。これは、会社が積極的に財務負担を軽減し、財務状況を改善していることを示しています。
これらのデータから、当社は財務健全性の向上とともに、将来の成長に向けた基盤をしっかりと構築していることがわかります。
業績推移の概要
17年3月期から19年3月期にかけて、当社の売上高は減少していました。しかしながら、その後の期間では、売上高が増加傾向にあります。これは、当社のビジネス戦略の変更や市場環境の好転など、さまざまな要因が影響している可能性があります。
また、18年3月期まで当社は営業利益で赤字を計上していましたが、19年3月期からは黒字に転換しました。この黒字化は、コスト削減、効率的な経営、あるいは新しい収益源の開拓など、複数の要素が寄与していると考えられます。
このように、当社は過去数年間で売上高と営業利益の面で明確な改善を遂げています。売上の増加と利益の黒字化は、持続可能な成長への道のりで重要なステップと言えるでしょう。
当社は選択と集中の戦略に基づき、不採算事業を整理し、効率化を図ってきました。特に、成長が見込まれるSMS事業に注力することで、営業利益率の上昇傾向を実現しています。
この取り組みは、効率的な事業運営と将来性の高い事業分野への集中を目的としています。結果として、収益性の高い、継続的な収益をもたらす「ストック型」の事業モデルに注力し、より持続可能な成長を目指しています。
具体的には、SMS事業は、通信分野における重要なサービスであり、今後の市場拡大が期待される分野です。こうしたポテンシャルの高い事業に焦点を当てることで、営業利益率の向上に寄与しており、企業としての収益構造を強化しています。
やはりSMS事業の成長が大きいようです。
まとめ 【2323】フォンファン
いかがだったでしょうか?
フォンファンは特にインターネット対応の携帯電話向けに、さまざまなコンテンツとサービスを開発している会社です。
元々はリモートメールの事業が伸びて企業の成長に貢献していたようですが、近年はスマートフォンの多様化や、Gmailなど競争の激化により、メール事業では苦戦を強いられているようです。
しかし、2023年に公開した新中期長期計画によって現在はSMS事業やエンジニア獲得など、新たな領域で成果を上げ始めています。
今後の成長に期待できる企業かもしれません。