株式投資や為替取引などの経済ニュースでよく聞く言葉に「ファンダメンタルズ」というものがあります。
ファンダメンタルズとは、一国や一企業の経済活動状況を示す基礎的な要因のことで、「経済の基礎的条件」と訳されます。
ファンダメンタルズを分析することで、株価や為替の動向を予想することができると言われていますが、具体的にどのような指標がファンダメンタルズにあたるのでしょうか?また、ファンダメンタルズ分析はどのように行うのでしょうか?この記事では、ファンダメンタルズの初心者向けの解説と、ファンダメンタルズの例を紹介します。

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ファンダメンタルズとは?
ファンダメンタルズとは、国や企業などの経済状態を表す指標のことです。
ファンダメンタルズは、市場価格だけではなく、本質的な価値を見るために重要なデータです。ファンダメンタルズは、国や地域の場合と企業の場合で異なる指標があります。
国や地域のファンダメンタルズ
国や地域のファンダメンタルズとは、その国や地域の経済状況を示す指標です。国や地域のファンダメンタルズは、以下のようなものがあります。
- 経済成長率(GDP):国内総生産(GDP)とは、その国で生産されたすべてのモノやサービスの価値の合計です。経済成長率とは、GDPが前年度に比べてどれだけ増減したかを示す割合です。経済成長率が高いほど、その国や地域の経済活動が活発であることを意味します。
- 物価上昇率(CPI):消費者物価指数(CPI)とは、一般的な消費者が購入するモノやサービスの価格変動を示す指数です。物価上昇率とは、CPIが前年度に比べてどれだけ増減したかを示す割合です。物価上昇率が高いほど、その国や地域でインフレーション(物価高騰)が進んでいることを意味します。
- 失業率(UR):失業率とは、労働力人口(就業者と失業者の合計)のうち、失業者の割合です。失業率が高いほど、その国や地域で雇用状況が悪化していることを意味します。
- 国際収支(BOP):国際収支とは、その国や地域が他国や地域と行った取引の収支を示すものです。国際収支は、経常収支(貿易収支やサービス収支など)と資本収支(直接投資や証券投資など)に分けられます。経常収支が黒字であれば、その国や地域は他国や地域からモノやサービスを輸出することで収入を得ていることを意味します。資本収支が黒字であれば、その国や地域は他国や地域から資金を流入させることで収入を得ていることを意味します。
これらの指標は、その国や地域の経済の強さや弱さ、安定性や不安定性、将来性やリスク性などを判断するために重要です。
例えば、経済成長率が高く、物価上昇率が低く、失業率が低く、経常収支が黒字であれば、その国や地域の経済は健全で成長していると言えます。逆に、経済成長率が低く、物価上昇率が高く、失業率が高く、経常収支が赤字であれば、その国や地域の経済は不健全で停滞していると言えます。
企業のファンダメンタルズ
企業のファンダメンタルズとは、その企業の業績や財務状況などを示す指標です。企業のファンダメンタルズは、以下のようなものがあります。
- 売上高(Sales):売上高とは、その企業が販売したモノやサービスの価値の合計です。売上高が高いほど、その企業の商品やサービスに需要があることを意味します。
- 利益(Profit):利益とは、売上高から費用(原価や経費など)を差し引いたものです。利益には、営業利益(売上高から営業費用を差し引いたもの)、経常利益(営業利益から金融費用や特別損益などを差し引いたもの)、純利益(経常利益から税金などを差し引いたもの)などがあります。利益が高いほど、その企業の経営効率が高いことを意味します。
- 純資産(Equity):純資産とは、その企業の資産(モノや金銭など)から負債(借金など)を差し引いたものです。純資産が高いほど、その企業の自己資本が多いことを意味します。
- 株価純資産倍率(PBR):株価純資産倍率とは、その企業の株価を純資産で割ったものです。PBRが低いほど、その企業の株価が割安であることを意味します。
- 株価収益率(PER):株価収益率とは、その企業の株価を一株当たり純利益(EPS)で割ったものです。PERが低いほど、その企業の株価が割安であることを意味します。
- 株価キャッシュフロー倍率(PCFR):株価キャッシュフロー倍率とは、その企業の株価を一株当たりキャッシュフロー(CFPS)で割ったものです。キャッシュフローとは、その企業が営業活動や投資活動などで得た現金の流れです。PCFRが低いほど、その企業の株価が割安であることを意味します。
これらの指標は、その企業の収益力や成長力、安定性やリスク性などを判断するために重要です。例えば、売上高や利益が高く、純資産が多く、PBRやPERやPCFRが低ければ、その企業は優良であり、株価は割安であると言えます。逆に、売上高や利益が低く、純資産が少なく、PBRやPERやPCFRが高ければ、その企業は劣悪であり、株価は割高であると言えます。

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ここまでを踏まえて、次のうち、企業のファンダメンタルズに含まれないものはどれでしょうか?
- 負債
- 売上高
- 本社所在地
正解は、、、
本社所在地です!
「ファンダメンタルズ(fundamentals)」とは、「経済の基礎的条件」と訳される経済分野で用いられる用語で、国や企業などの経済状況を表す指標のことです。
国の場合は経済成長率や物価上昇率がこれにあたり、企業の場合は売上や利益、資産、負債などがこれにあたります。
ファンダメンタルズ分析とは?
ファンダメンタルズ分析とは、ファンダメンタルズをもとにして、株価や為替の動向を予想することです。ファンダメンタルズ分析は、中長期的な視点で市場の本質的な価値を見ることができる分析方法です。ファンダメンタルズ分析には、マクロ分析とミクロ分析の二種類があります。
マクロ分析
マクロ分析とは、国や地域のファンダメンタルズを分析することです。
マクロ分析では、経済成長率や物価上昇率などの経済指標を比較して、その国や地域の経済状況や将来性を評価します。例えば、経済成長率が高くて物価上昇率が低い国や地域は、経済が安定して成長しており、通貨の価値も高まる可能性があると言えます。逆に、経済成長率が低くて物価上昇率が高い国や地域は、経済が停滞してインフレーションに陥っており、通貨の価値も下落する可能性があると言えます。
ミクロ分析
ミクロ分析とは、個別の企業のファンダメンタルズを分析することです。
ミクロ分析では、売上高や利益などの業績や、純資産やPBRなどの財務状況を比較して、その企業の収益力や成長力、安定性やリスク性を評価します。例えば、売上高や利益が高くて純資産が多く、PBRやPERが低い企業は、優良であり、株価は割安であると言えます。逆に、売上高や利益が低くて純資産が少なく、PBRやPERが高い企業は、劣悪であり、株価は割高であると言えます。
金融クイズ!
ファンダメンタルズに基づく投資の指標としてよく用いられる、「1株当たりの純資産」を表すアルファベット3文字はなんでしょう?
- PER
- BPS
- ROE
正解は、、、
BPSです!
企業における「1株当たりの純資産」は「Book-value Per Share」を略してBPSと呼ばれます。「純資産÷発行済み株式数」で計算でき、主に企業の安定性を表す指標の一つとして用いられます。
ファンダメンタルズの例
ここでは、ファンダメンタルズの例として、日本とアメリカの経済指標と、日本の代表的な企業の財務データを紹介します。
日本とアメリカの経済指標
指標 | 日本 | アメリカ |
経済成長率 | 1.3% | 2.9% |
物価上昇率 | 4.0% | 7.1% |
失業率 | 2.6% | 3.4% |
経常収支 | 11兆4,432億円(黒字) | -2,171億ドル(赤字) |
この表から分かるように、日本とアメリカでは経済状況に大きな差があります。アメリカは日本よりも経済成長率が高く、経済活動が活発ですが、物価上昇率も高く、インフレーションが進んでいます。また、失業率も日本よりも高く、雇用状況が悪化しています。さらに、経常収支も大幅に赤字であり、貿易面で不利な立場にあります。一方、日本は経済成長率が低く、経済活動が停滞していますが、物価上昇率も低く、インフレーションは抑えられています。また、失業率も低く、雇用状況が安定しています。さらに、経常収支も黒字であり、貿易面で有利な立場にあります。
これらのデータをファンダメンタルズ分析に用いると、アメリカドルに対して日本円は強い傾向にあると言えます。なぜなら、日本はアメリカよりも経済的に安定しており、通貨の価値も高まる可能性があるからです。しかし、これはあくまで一つの視点であり、他の要因や市場の心理なども考慮する必要があります。
金融クイズ!
株式投資において、ファンダメンタルズを重視する「ファンダメンタルズ分析」に対し、株価の動きをデータや経験から推測する分析法をなんと呼ぶでしょう?
- エクスペリメント分析
- テクニカル分析
- バイオレーション分析
正解は、、、
テクニカル分析です!
ファンダメンタルズを重視して今後の株価の値動きを予想する「ファンダメンタルズ分析(ファンダメンタル分析)」に対し、株価チャートなどの情報と経験則から株価の値動きを予想する方法を「テクニカル分析」といいます。
ファンダメンタルズのまとめ
この記事では、ファンダメンタルズとは何か、ファンダメンタルズ分析とは何か、ファンダメンタルズの例を紹介しました。ファンダメンタルズとは、国や企業などの経済状態を表す指標のことで、「経済の基礎的条件」と訳されます。ファンダメンタルズ分析とは、ファンダメンタルズをもとにして、株価や為替の動向を予想することです。ファンダメンタルズ分析は、中長期的な視点で市場の本質的な価値を見ることができる分析方法です。
ファンダメンタルズ分析には、マクロ分析とミクロ分析の二種類があります。マクロ分析とは、国や地域のファンダメンタルズを分析することです。ミクロ分析とは、個別の企業のファンダメンタルズを分析することです。マクロ分析では、経済成長率や物価上昇率などの経済指標を比較して、その国や地域の経済状況や将来性を評価します。ミクロ分析では、売上高や利益などの業績や、純資産やPBRなどの財務状況を比較して、その企業の収益力や成長力、安定性やリスク性を評価します。
ファンダメンタルズ分析は、市場の本質的な価値を見るために重要な分析方法ですが、それだけではなく、他の要因や市場の心理なども考慮する必要があります。ファンダメンタルズ分析に興味がある方は、ぜひ自分でデータを集めて分析してみてください。ファンダメンタルズ分析を通して、経済の仕組みや動きについて深く理解することができるでしょう。
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