- ずっと銀行預金だけでしたが、最近親が投資で成功して喜んでいる様子を見て『自分もやってみよう』と思い立ちました。ところが、投資信託を調べ始めると選択肢が多すぎて決められません。さらに雑誌を読むとAIやインド投資の話題も出てきます。どれを選べば良いのかわからず、結局投資を始められずにいます。
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これは、多くの投資初心者が経験する「選択肢が多すぎて決められない」という状態です。この心理的な現象は「決定麻痺」や「分析麻痺」と呼ばれ、行動ファイナンスでもよく研究されています。
このように、選択肢が多いと悩んでしまいますよね……。
そこで今回は、行動ファイナンス講座の一つとして、具体的な例とともに対処法を伝授いたします!
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選択肢が多すぎると人はどうなるか?
直感的には「選択肢が多ければ良いものを選べる」と思いがちですが、実はそうではありません。コロンビア大学のシーナ・アイエンガー教授が行った有名な研究を見てみましょう。
チョコレートの選択実験
学生に「6種類のチョコレート」と「30種類のチョコレート」から1つを選び、満足度を評価してもらう実験では以下の結果が出ました。
- 6種類のときの満足度:平均6.25点(10点満点中)
- 30種類のときの満足度:平均5.5点
選択肢が多いとむしろ満足度が下がったのです。
投資信託の選択における影響
同じ研究では、自由参加型の年金プランで「投資信託の選択肢が多いほど、参加率が下がる」という現象も報告されています。人は選択肢が増えるほど判断に迷い、「先延ばし」する傾向が強まるのです。
情報収集が多すぎると判断が鈍る理由
投資を始めようとすると「何を選べば良いのか」と迷うことがあります。これは情報量が増えるほど、どれを信じるべきかが分からなくなり、不安が募るためです。特に、初心者は「自分の選択が正しいのか確信が持てない」ため、余計に迷ってしまいます。
解決策:初心に戻り、シンプルに考える
ここで解決策をいくつか提案いたします!
1. 投資の目的を明確にする
まず、「なぜ投資を始めるのか」を改めて考えましょう。
- 将来の資産形成のため?
- 子供の教育費や老後資金のため?
目的が明確になれば、それに合った商品を選びやすくなります。
2. 少額から始める
一度に全額を投資しようとすると心理的なプレッシャーが強まります。まずは余裕資金の一部を使い、少額から始めてみることで、投資の感覚をつかみやすくなります。
3. 「投資信託の分類」を知る
選択肢を絞るためには、投資信託の基本的な分類を理解することが大切です。例えば:
- 株式型:リターンが大きいがリスクも高い
- 債券型:安定した収益を目指す
- バランス型:株式と債券を組み合わせたもの
初心者には「バランス型」や「インデックス型」が選びやすいでしょう。
4. 積立投資でリスク分散
一度に全額を投資する代わりに、毎月一定額をコツコツ積み立てる「積立投資」はリスクを分散する効果があります。特に相場が変動しても、購入タイミングを考えすぎる必要がなくなります。
5. 信頼できる専門家に相談する
自分ひとりで決められない場合は、金融機関の窓口や独立系のファイナンシャルプランナーに相談してみるのも良いでしょう。
投資は「最初の一歩」が大切
今回の悩みは、多くの初心者に共通するものです。
選択肢の多さに迷ったときは、初心に立ち返り、目的を明確にすることが鍵です。完璧なスタートを求めず、小さな一歩を踏み出してみてください。それが長期的な資産形成への第一歩となるのです。