2030年、AI接客市場10倍。ピアズが持つ『接客×AI』の独占データ資本とは?

前回のピアズ【7066】に関する記事では、2025年9月期第2四半期決算説明資料をベースに、ピアズがどのように事業ポートフォリオを組み替え、「M&A×自社開発」による成長基盤づくりへ移行しているのかをお伝えしました。

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今回は、その中でも特に「接客支援領域」における進化と戦略にフォーカスし、なぜ今、ピアズがAIボーディング事業に注力しているのか、その背景と市場性を、数字で補強しながらご紹介します。

目次

リアル店舗での接客支援──祖業としての積み重ね

創業以来、当社は全国の販売現場に深く入り込み、

  • セールストークの台本設計
  • 現場教育プログラムの運用
  • 成果志向の人材派遣・研修・BPO

といった接客の仕組みを磨き続けてきました。
ピアズの原点は、「売れる接客」をつくること。そのノウハウは、今も全事業の設計思想に生きています。

オンライン接客への拡張──ONLINX+が生まれた背景

コロナ禍により、リアル接客の制限が強まる中、当社は「接客を止めずに成果を出す」仕組みとして、オンライン接客プラットフォーム「ONLINX+」を開発。

ONLINX+は単なるビデオ通話にとどまらず、

  • 熟練スタッフとの即時接続
  • トークスクリプト支援
  • オペレーションBPOとの組み合わせ

によって、接客の成果をそのままリモート化・再現できる設計としています。
現在、通信・小売・流通業界を中心に累計2,000店舗以上に導入され、進化を続けています。

ノンコア事業の撤退と再集中──事業ポートフォリオ再編の実行

2023年から2025年にかけて、RemoteworkBOX、メタバース、VTuberといった周辺事業を段階的に譲渡・撤退。
ピアズは改めて、成果につながる接客を中核に据えた3領域へ経営資源を集中しています。

  • セールスプロモーション事業(祖業)
  • オンライン接客事業(ONLINX+)
  • AIボーディング事業(新成長領域)

このポートフォリオ再構成は、単なる事業整理ではありません。
テクノロジーを通じて「再現できる成果」を最大化する接客支援企業へ進化するための、土台構築です。

なぜAIボーディングか?──市場の成長と、ピアズの優位性

ここからは、ピアズとAIボーディングの関係について解説をしていきます。

🌍 市場「今、世界も日本も、AI接客が伸びている」

  • 世界市場:2024年 約120億ドル → 2030年 約478億ドル(CAGR 25.8%)
  • 日本市場:2022年 約132億円 → 2027年 約454億円(CAGR 27.6%) → 2035年には1,000億円超を予測

これは、リアル接客・オンライン接客に続く「第3の成長波」がAIによって起きていることを示しています。

国内では、小売・通信・金融・自治体・飲食業などで導入が加速。
特に人材不足やOJT負担が重い業界では、接客の標準化・再現化をAIに託す動きが活発化しています。

🧠 ピアズの優位性:なぜ当社がAIで差別化できるのか?

ピアズのAIボーディングは、以下のような「独自資産の転用」によって構築されています。

ピアズの資産AI領域での展開効果
接客トーク台本プロンプト設計スキルへ転換精度の高い対話AIを実現
会話ログ・現場データ継続学習の素材に活用接客改善のフィードバックループ
2,000店超の実績導入支援・業界知見現場への適応性・スケーラビリティ

他社には真似できない「現場知×接客ノウハウ×AI技術」を、価値のあるプロダクトに変換しています。

📊 ピアズが持つ『データ資産』の本質価値

生成AIの時代、企業の競争力を決めるのはもはや「モデルの性能」ではないでしょう。
それ以上に重要なのは、誰にも取得できない、現場で蓄積された構造化されたデータ資産を保有しているかどうかです。

ピアズは、まさにこの「現場知 × 会話文脈 × 成果ラベル」が結びついたデータを独占的に、継続的に保有しています。

✅ 1. ピアズの接客データは、単なる会話ログではない

ピアズが蓄積してきたデータは「ただのテキストデータ」ではないという点です。

特徴一般の会話ログピアズの接客ログ
構造性単なる発話の羅列台本構造+話者属性+目的ラベル付き
成果ラベルなし(反応不明)購入/契約などの成果と紐づいている
文脈の一貫性曖昧・断片的シナリオ起点で一貫性がある
活用可能性難しいAI学習にすぐ使える「高品質教師データ」

このようなデータは、一般のオープンソースやクローリングでは絶対に取得できません。

✅ 2. 生成AIにおける「価値あるデータ」とは何か?

生成AIはただ話せるだけでは価値になりません。
投資家にとって本当に重要なのは、以下のような行動結果につながるAIが作れるかどうかです。

🔍 生成AIにとっての最高の学習素材=「成果が出た人間の判断と会話」

ピアズは、

  • 「成約につながったトーク」
  • 「離脱したトークとの比較」
  • 「業界/顧客属性ごとの差異」

といったAI精度向上のための教師データを、大量に・継続的に保持している稀有な企業と言えます。
この点において、ChatGPTやGeminiでは再現できない実務特化型AI開発の起点を持っています。

✅ 3. クローズドデータ × 継続学習の構造がAI資本主義の競争優位を生む

特筆すべきは、ピアズのデータは「過去の蓄積」だけでなく「現在も毎日増え続けている」点です。
ONLINX+やAIボーディングの導入先店舗からは、日々

  • 音声会話ログ
  • スクリプト修正履歴
  • トーク結果と成果(CVR)

といったリアル接客の行動ログがストリーム状に流れ込んでおり、これがLLMの継続学習素材として再利用可能です。

これはつまり、ピアズの価値は「時間とともに自己強化されるデータ資産=AI資本」であり、もはや人的資本や設備資本とは別次元の持続的優位性といえます。

✅ 4. 将来的には『AIパートナー企業』としての地位も狙える

このようなデータ構造を持つ企業は、日本国内では非常に稀であり、将来的には以下のような展開も考えられます。

  • 大手LLMとのファインチューニング連携(例:日本語領域の対話チューニング)
  • SaaSではなく「AIパートナー」としての売却価値(M&A)
  • 特化型接客モデルの自社開発(Vertical LLM)

🔚 まとめ:「ピアズの価値は、まだPLには出ていない」

現在のPLやセグメント売上には、このデータ資本の価値は反映されていません。
しかし、AI時代においてこの非財務資産こそが企業評価における最大の武器になります。

ピアズの「接客知 × 行動ログ × 成果データ」は、
生成AI時代の競争において、どんな業種でも代替不可能な戦略的データセットとなるでしょう。

今後、IRとしてもこの非財務価値をどう定量化して開示していくかが、大きな鍵になります。

なにか質問や意見がある方は、ぜひ弊コミュニティでお会いしましょう!

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この記事を書いた人

株式会社シュタインズ

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