【2025年大阪・関西万博関連銘柄まとめ】経済効果2.9兆円、注目の企業

2025年の大阪・関西万博がいよいよ開幕し、日本経済における短期的な起爆剤としての期待が高まっています。
「いのち輝く未来社会のデザイン」を共通コンセプトに先端技術を駆使したパビリオンが登場する予定で、会場建設や運営、警備、さらには飲食・観光まで幅広い分野で経済効果が期待されています。

本記事では、万博がもたらす経済効果の試算と、具体的な関連銘柄、加えてその背景にあるグローバルな金融市場の動きについて解説していきます。

目次

■ 万博の経済効果と来場者数見通し

  • 経済効果:約2兆9000億円
  • 予想来場者数:約2,800万人

これは1970年の大阪万博(日本万国博覧会)以来の大規模イベントとなり、関西圏の産業・インフラ・観光に幅広く波及効果が期待されます。

■ 万博関連注目銘柄リスト

まず初めに、特に目立つ万博関連銘柄についてご紹介いたします。

1. カプコン(9697)

世界的IP「モンスターハンター」の世界観を体験できるブースが大阪万博に出展されることで、カプコンはゲームファンのみならず、一般来場者やインバウンド層へのブランド浸透を図る絶好の機会を得ています。

大阪本社という“地元企業”の象徴的存在であり、関西文化とエンタメ産業のシンボル的銘柄でもあります。国内では知名度の高い同社ですが、万博という国際舞台を通じて 海外市場へのアプローチ、特にアジア圏でのマーケティング効果が極めて高いと見られます。

2. バンダイナムコホールディングス(7832)

「ガンダム」は日本が誇る“知的財産コンテンツ(IP)”の代表格であり、その象徴を 実物大で展示するというインパクトは観光客への訴求力としては群を抜いています。関西圏で初の展示となることもあり、話題性と集客力は抜群です。

バンダイナムコは、ガンダムを含むキャラクター収益事業においてアジア・欧米市場での収益拡大を掲げており、万博はその“実物PR”の場として機能。実際、近年の同社はIPビジネスの多角化(映画、玩具、ゲーム、施設運営)を加速しており、実物展示の体験型マーケティングが持つ波及効果は非常に大きいと考えられます。

3. クラウドワークス(3900)などDX・イベント支援企業

大阪万博の運営全体では、リアルとデジタルの融合(スマートEXPO)がキーワードとなっており、運営・通訳・会場支援・映像編集・SNS運用などで、外部パートナーとしてのフリーランス需要が急増する可能性があります。

クラウドワークスはそのマッチングインフラを提供する代表的な企業であり、イベント運営や行政系プロジェクトでの実績も豊富。特に、地方自治体との連携も積極的であるため、地域貢献型プロジェクトの受注先としても注目されます。

4. JR西日本(9021)

夢洲へ直接アクセス可能な公共交通機関の中でも、JR西日本は関西圏への主要ハブ輸送の中核を担う立場にあります。万博会期中の臨時列車・イベント輸送の需要増加が見込まれ、一定の増収インパクトは期待されます。

加えて、万博終了後に始動するIR(カジノリゾート)プロジェクトにおいても、継続的なアクセス需要が発生。JR西の沿線ではホテル・商業施設・都市再開発が連動しやすく、交通と都市機能の融合モデルの実現にも寄与します。

5. ホテル・観光業銘柄(例:星野リゾートREIT、HISなど)

万博による観光需要の爆発的増加は、日本にとってポスト・コロナにおける最大のインバウンド回復イベントとも言われています。特に大阪・京都・神戸などへのアクセス拠点に立地するホテルは、稼働率・宿泊単価ともに上昇が見込まれます

星野リゾートREITなどは、「プレミアム宿泊体験 × 地域観光活性」の戦略で万博テーマと親和性が高く、IRとも連動して再評価の余地あり。HISに代表される旅行代理店業は、団体向けパッケージや外国人客対応で稼ぎ時を迎える見込みです。

◆ 短期イベント需要で脚光を浴びる可能性大の注目銘柄

ここでは、短期的なイベント需要にフォーカスして注目できる企業をご紹介いたします。

バルニバービ(3418)

業種:外食/時価総額:約112億円(2025年4月15日現在)

大阪市内でカフェやレストランを展開する中堅外食企業です。

2024年6月、万博会場の夢洲(ゆめしま)に近い場所に新店舗をオープンしており、会場周辺に飲食店が少ない中で万博来場者の集客を取り込む狙いがあります。

万博期間中は来場客の食事需要で業績押上げが期待でき、会期中の臨時需要による売上増が見込まれます。時価総額は約112億円と小型で、知名度の低さゆえに今後万博関連で注目が高まれば株価上昇の余地もあるでしょう​。

タカチホ(8225)

業種:観光土産卸売/時価総額:約24億円(2025年4月15日現在)

全国の観光土産品の卸売を手掛ける老舗で、大阪万博の公式ライセンス商品(公式グッズ)販売企業に選ばれています。

土産品業界でトップクラスの同社にとって、大規模イベント公式グッズの販売は一時的ながら大きな追い風です。
万博開催による売上増加が期待され、業績に好影響を与える可能性があります​。

時価総額約24億円と極めて小粒な銘柄で流動性リスクはありますが、公式グッズという話題性から万博直前に人気化する展開も考えられます。

博展(2173)

業種:イベントプロデュース/時価総額:約80億円(2025年4月15日現在)

企業イベントや展示会の企画・プロデュースを専門とする企業です​。

電通や博報堂など大手広告代理店のパートナーとして展示ブース施工を担うなど実績があり、万博でも多数の企業パビリオンの企画・設営をサポートするとみられます。

時価総額約80億円と中小型で、万博関連の受注増による業績拡大余地があります​。イベント分野のプロフェッショナルとして、開幕直前には注目度が増す可能性があります。

インターライフホールディングス (1418)

業種:商業施設の内装施工/時価総額:約66億円(2025年4月15日現在)

商業施設や公共施設の設計施工・内装工事を手掛ける企業で​、万博会場内外の仮設店舗やパビリオン内装などの需要に対応できる体制を持ちます。

実績豊富な空間デザイン会社「乃村工藝社」や「丹青社」と比べると規模は小さいですが、時価総額約66億円と小型ゆえに万博特需の恩恵が株価に反映されやすいと言えます​。
万博での内装工事受注やスマートシティ関連インテリア需要にも期待です。

テー・オー・ダブリュー (4767)

業種:イベント運営プロモーション/時価総額:約151億円(2025年4月15日現在)

TOW(テー・オー・ダブリュー)はイベントやプロモーション企画運営の専門会社で、大手広告代理店を主要顧客としています​。

万博期間中は企業パビリオンでのイベント運営やプロモーション需要が高まるため、同社のような専門業者に活躍の場があります。時価総額約151億円と中堅規模ですが、業界内では実績の割に知名度が高くなく、万博関連の収益貢献が注目材料となるでしょう。

ソースネクスト (4344)

業種:通訳デバイス/時価総額:約262億円(2025年4月15日現在)

ソフトウェア商社の同社ですが、子会社が開発する携帯型自動通訳機「ポケトーク」が主力製品です。
万博には世界中から観光客が訪れるため、言語の壁を越える通訳デバイス需要が増加する見込みです。
実際、大阪万博や2020年代後半開業予定のIR(統合型リゾート)で外国人需要が増えることで、ポケトーク需要が大幅に伸びる可能性が指摘されています。

同社は万博会場や周辺でのレンタルサービス展開も視野に入れており、万博を機に製品認知度向上と販売増が期待されます。時価総額約262億円と中規模ながら、主力事業の成長余地から将来性は大きいでしょう。

4. 東洋テック(9686)

業種:警備/時価総額:約144億円(2025年4月15日現在)

大阪に本社を置く総合セキュリティ会社で、金融機関警備から機械警備・ビル管理まで幅広く手掛けます​。

大阪万博の警備業務を受注した共同企業体の幹事企業であり、2024年1月に万博警備を受注したと発表しました​。
契約期間は2024年1月~2025年10月、受注金額は108億円にのぼり、会場ゲートのセキュリティチェックや雑踏対策、交通誘導などを担います​。

大型案件の獲得で万博期間中の業績貢献は確実視され、時価総額約144億円と規模の割に万博関連株としては出遅れ感があるとの指摘もあります​。警備業界首位のセコムなどに比べ小型な分、万博特需のインパクトが相対的に大きく、今後の株価に織り込まれる余地があります。

アールエスシー (4664)

業種:警備・施設管理/時価総額:約15億円(2025年4月15日現在)

ビル管理や警備サービスを提供する中堅企業で、大阪万博会場での警備・駐車場管理業務を担当する予定です​。

大手に次ぐ業界3~4番手の立ち位置ですが、時価総額約15億円と非常に小さいため、万博関連の受注規模次第では業績インパクトが大きくなり得ます​。知名度が低く流動性リスクもありますが、万博での安全運営に不可欠な警備需要を担う銘柄として注目されます。

◆ 特殊分野で光る成長ポテンシャル銘柄

続いて、長期的なポスト万博の成長見込み可能性のある銘柄についてご紹介いたします。

三精テクノロジーズ(6357)

業種:機械・アミューズメント/時価総額:約239億円(2025年4月15日現在)

遊園地向け遊戯機械や舞台機構、エレベーター等を設計製造するメーカーです​。

1970年の大阪万博では日本初の「動く歩道」を出展した実績があり​、現在はロボット開発にも注力しています。
2023年にはロボット開発企業アスラテックと戦略的パートナーシップを締結しており、2025年万博に向けて何らかの革新的ロボットを共同出展する可能性があります​。

また万博後に建設予定のIR(カジノ)施設内でも、同社の舞台設備や遊戯機械が採用される余地があります(同社自体がカジノ関連株の一面も持ちます​)。
時価総額約239億円と中堅規模ですが、知名度は限定的で、万博を契機とした新技術披露やIR需要取り込みによる中長期の成長が期待できます。

クオリプス(4894)

業種:再生医療/時価総額:約620億円(2025年4月15日現在)

大阪大学発のバイオベンチャーで、iPS細胞由来の心筋細胞シート(いわゆる「iPS心臓」)の開発を行っています。

大阪万博のパビリオンにおいて、この「iPS心臓」の実物展示が予定されており​、世界に再生医療技術の最先端をアピールする場となります。

時価総額約620億円と万博関連では大きめですが、再生医療という将来性ある分野のパイオニアとして注目です
同社は 2023年に心筋シートの製造販売承認を厚生労働省に申請しており、実現すれば世界初のiPS細胞を使った治療法となる見込みです​。
万博での注目度向上による信用力アップや共同研究機会の拡大が期待でき、万博後も医療ニーズに応える形で飛躍が見込まれます。

◆ 万博後も成長持続が見込まれる「レガシー型」企業

森組(1853)

業種:建設/時価総額:約97億円(2025年4月15日現在)

大阪に本拠を置く中堅建設会社で、万博会場島・夢洲周辺のインフラ整備思惑からこれまでに物色された経緯があります​。
実際に万博関連土木工事を手掛ける可能性や、万博後に本格化するカジノを含むIR施設建設への参画も期待されます​。

同社は時価総額約97億円と小型で、万博・IR関連のニュース次第で大きく注目される余地があります。
「夢洲を万博に合わせ再開発し、終了後は2030年開業目標で大規模カジノリゾートを建設する計画」があるため​、関連工事を請け負う地元建設企業として長期的な需要が見込まれます。万博開催が近づく時期には再評価が進む可能性があるでしょう。

南海辰村建設(1850)

業種:建設/時価総額:約83億円(2025年4月15日現在)

南海電鉄系の建設会社で、万博では大手企業パビリオン(三菱未来館)の建設・運営パートナーを務めています​。

地元・大阪での施工実績に強みがあり、万博後も夢洲や周辺地域の再開発プロジェクトへの継続参画が期待されます。
特に、親会社である南海電鉄は大阪南部や和歌山で鉄道・不動産事業を展開しており、IR開業に向けたインフラ投資でもグループとして恩恵を受ける可能性があります。

時価総額は約83億円と小さく、万博関連本命株の一角ながら市場での注目度は限定的です。しかし、大型テーマパビリオンを任される技術力と今後の地域開発案件へのつながりから、中長期の成長余地を秘めています。

櫻島埠頭(9353)

業種:倉庫・不動産/時価総額:約25億円(2025年4月15日現在)

大阪港近くで倉庫業などを営む企業ですが、夢洲に土地を保有しているとの思惑があります​。
事実であれば、万博開催とその後のIR誘致で夢洲エリアの地価高騰や土地売却益が期待できます​。

同社の時価総額は約25億円と極小で、投機的な要素も強い銘柄です。
ただし実際に土地含み益が顕在化する可能性があり、万博後も価値が残る資産として注目されます。IR計画が具体化する2030年頃まで長いスパンで見る必要はありますが、思惑が現実となれば企業価値向上につながるでしょう

杉村倉庫(9307)

業種:物流・倉庫/時価総額:約117億円(2025年4月15日現在)

大阪湾岸エリアで倉庫業を営み、一部で夢洲近隣に土地資産を持つとされています​。

大阪万博・IRに絡む土地再評価の恩恵を受ける「夢洲関連株」の一つです​。

時価総額約117億円と小型で、実需というより思惑面が強いテーマ株ですが、万博終了後もIR開発進展による不動産価値向上が追い風となり得ます。
現実にカジノ誘致が進めば、同社の保有地が高条件で買収されたり高稼働の物流拠点として活用されたりする可能性があります。中長期で見て地域再開発の一翼を担うポテンシャルがあると言えるでしょう。

ロイヤルホテル(9713)

業種:ホテル/時価総額:約148億円(2025年4月15日現在)

大阪を代表する老舗ホテル「リーガロイヤルホテル(大阪)」を中之島で運営する企業です​。

万博会場の夢洲から比較的近い立地にあり、万博開催中の宿泊需要増加はもちろん、万博後の大阪観光ブームや2020年代後半のIR開業による訪日客増の恩恵も見込まれます​。
実際、ロイヤルホテルは関西の名門ホテルとして万博・カジノ関連銘柄に挙げられており、万博とIR開業で業績改善が期待されています。

時価総額約148億円と中小型で、コロナ禍からの業績回復途上にあるため余力も大きいです。
IHG系列との提携によりサービス向上も進んでおり、関西インバウンド再興の波に乗って万博後も成長を持続できるでしょう。

以上の企業は、万博が閉幕した後も継続して成長が期待できるテーマを持つ銘柄です。

まとめ 2025 大阪万博 関連銘柄

いかがだったでしょうか?

大阪・関西万博は開催前から関連企業への思惑が盛り上がっていますが、特に 中小型でこれから市場の注目を集めそうな銘柄 に焦点を当てることで、埋もれた成長機会を発掘できます。

万博開催中は飲食・イベント・警備など幅広いセクターで短期的な特需が発生し、公式グッズや通訳デバイスといったニッチ分野にもスポットライトが当たります。
一方、万博後を見据えると、大規模再開発プロジェクトや観光インフラ整備、新技術の事業化など長期テーマが動き出し、関連企業の持続的な成長につながるでしょう。

もっとも、小型株は流動性が低く株価変動も大きいため、投資にあたってはリスク管理が重要です。
開催中も報道やイベント進捗によって関連銘柄の株価が大きく動く可能性があります。
今回ピックアップした企業群は、いずれも 万博による追い風を受ける素地 を持っていますが、今後のニュースや経済の動き次第で、万博の話題化とともに改めて脚光を浴びる展開に期待できると言えるでしょう。

個人投資家の皆さんは、各企業の事業内容や万博との関わりを十分に調査しつつ、短期的なイベント需要と長期的な成長ストーリーの両面から有望な投資先を見極めていくことが重要です。

大阪万博という歴史的イベントを契機に、これらの企業が大きく飛躍するか注目しておきましょう!

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この記事を書いた人

株式会社シュタインズ

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