『ちいかわぽけっと』のリリースで株価爆増!?ちいかわはサイバーエージェントの株価と未来をどう動かすか?(前編)

ちいポケ」は、人気漫画『ちいかわ』を原作としたスマートフォン向けゲームアプリ『ちいかわぽけっと』の略称です。このアプリは、サイバーエージェントの連結子会社である株式会社アプリボットが企画・制作・開発・運営を担当しています。

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今回は、いま大注目の「ちいポケ」がもたらす株価や投資への影響について、徹底的に分析し、初心者にもわかりやすいく解説いたします。

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目次

ちいポケとは

 『ちいポケ』は、イラストレーター・ナガノ氏の人気漫画『ちいかわ』を原作にした新作アプリです。アイテムを集めてホーム画面を作ったり、“討伐”で危ないヤツを倒して報酬を手に入れたり、レシピを集めて料理を作ったりと、さまざまな要素が用意されているようです。

事前登録段階で大きな注目を集めるなど期待感も誘っているのだ!

サイバーエージェントのゲーム事業における位置づけ

サイバーエージェントは、2009年にゲーム事業に参入しています。

https://www.cyberagent.co.jp/ir/superiority/game/

(株)Cygamesを筆頭に子会社7社が、様々なジャンルのゲームを開発、運営、提供しています。技術力やクリエイティブ力などを磨き、継続的なヒットタイトルの創出と既存タイトルの長寿命化に努め、持続的成長を目指しています。

サイバーエージェントは以下の主要3事業を柱としています。

  1. インターネット広告事業
    • 売上高の最大の割合を占める。
    • 国内外でのデジタルマーケティング需要に対応。
  2. ゲーム事業
    • 売上構成比率では約30~40%を占める重要事業。
    • 「ウマ娘 プリティーダービー」などの成功で業績を大幅に押し上げた実績あり。
  3. メディア事業
    • 動画配信サービス「Abema」を中心とした事業。
    • 成長段階にあり、ゲーム事業や広告事業とのシナジーを模索。

ゲーム事業の概要

ゲーム事業に関して、過去の成功事例や特徴について説明いたします。

  • 「ウマ娘 プリティーダービー」
    • 2021年リリース直後から爆発的なヒット。
    • ゲーム事業の売上を大幅に押し上げ、業界全体のIPゲーム市場に強い影響を与えた。
    • 2022年度にはゲーム事業全体の収益を主導。
  • 『学園アイドルマスター』
    • バンダイナムコエンターテインメントが展開する「アイドルマスター」シリーズ最新作アプリゲームとして2024年5月にリリース。
    • 民間調査でも今年上半期の成長量上位にランクインしており、同社の収益増に大きく寄与したとみられている。また、IDOLY PRIDEをはじめ「ガールフレンド(仮)」などの既存タイトルも業績全体を底上げしたようだ。
https://umamusume.jp/

ゲーム事業の特徴

  • IP(知的財産)ゲームへの依存:
    • サイバーエージェントのゲーム事業は、独自IPではなく既存の人気IPを活用する形態が中心。
    • 成功の鍵は「IPの魅力」「課金モデルの設計」にあり、競合が激しい分野でもある。
  • 継続収益モデル:
    • ゲーム内課金イベントガチャによる収益が中心。
    • 継続的に収益を上げるためには、イベント運営ユーザーエンゲージメント維持が重要。
2024年通期決算発表資料

『ちいかわぽけっと』の収益予測

さて、ここからはより具体的にちいぽけの収益予測について見ていきましょう。

モバイルゲーム市場の成長トレンド

まず、グローバルなモバイルゲーム市場は、2024年に約1,001億米ドルの規模に達しました(参考)。今後も成長が見込まれ、2033年までに2,168億米ドルに達すると予測されています。これは、2025年から2033年の間に年平均成長率(CAGR)8.52%を示しています。

また、国内のゲーム市場は、コロナ禍の巣ごもり需要を受けて増加したゲーム人口が定着し、2兆円規模まで拡大しました。日本のゲーム市場は、中国、アメリカに次ぎ世界において第3位の市場規模と言われ、2025年のオンラインプラットフォームにおける国内のゲーム市場は、1兆5,000億円超と予測されています。最近の動向では、PC向けのゲーム等が改めて注目されるなど、オンラインゲームの市場は、今後も広がりを見せると考えています。

IPゲームの収益例(過去の成功タイトル)

日本のモバイルゲーム市場では、人気のあるIP(知的財産)を活用したゲームが高い収益を上げる傾向があります。

SensorTower

ウマ娘 プリティーダービー

Cygamesが開発・運営する「ウマ娘 プリティーダービー」は、競走馬を擬人化したキャラクターを育成するゲームで、リリース直後から大きな話題を呼び、高い収益を上げています。一時は過去最高の業績を記録しています。

原神

中国のmiHoYoが開発した「原神」は、美麗なグラフィックと広大なオープンワールドが特徴のアクションRPGで、日本国内でも高い人気を博し、収益を上げています。

世界全体での総収益は2022年時点で40億ドル(約5,600億円)以上

ドラゴンボールZ ドッカンバトル

日本のアニメ「ドラゴンボール」を題材にしたバンダイナムコ開発のパズルRPG。2022年末時点での全世界累計収益は30億ドル(約4,200億円)を突破。

シンプルなゲーム性に加え、ドラゴンボールファンをターゲットにした定期的なイベントやガチャ展開が成功に起因しました。

「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」を代表作に他社IPゲームの共同開発と自社IPゲーム開発)を展開している企業はアカツキ(3932)です。

ポケモンGO

Niantic開発の位置情報ゲームで、ポケモンIPを活用したゲームです。リリースから約7年間で80億ドル(約1兆円)以上の累計収益で、社会現象を起こしました。

IPの世界観を位置情報システムに融合し、リアルイベントとの連動で収益拡大。

非IPゲームの成功例

ここで、非IPゲームの成功例についても軽く触れておきます。

キノコ伝説

開発会社はKingkong Gamesで、アイドル育成要素を含むクリックベースの放置型ゲーム

日本市場を含め、全世界での累計ダウンロード数が2023年時点で2,000万回以上。リリース4ヵ月で日本累計収益1億ドルを達成し、月間平均使用時間は330分以上とあり、年間収益は数百億円規模と推定(参考)。シンプルな操作性と長期的なユーザー維持施策(例: 継続ログインボーナス)が評価さレテいます。

サイバーエージェントの事業構造

「ちいぽけ」の分析の前に、まずはサイバーエージェントの事業構造について整理しましょう。

サイバーエージェントの事業構造(ゲーム、広告、メディア)とその収益比率

サイバーエージェントは以下の3つの主要事業を展開しています。

2024年通期決算発表資料
  1. ゲーム事業
    • 概要:
      • モバイルゲームの開発および運営を手掛ける。
      • 代表作は「ウマ娘 プリティーダービー」など。
    • 収益比率:
      • 売上全体の約30~40%を占め、収益の柱としての役割を果たす。
      • 過去数年間のゲーム事業の成長が、同社の収益向上を牽引。
    • 成長の要因:
      • IP(知的財産)を活用したヒット作の投入。
      • 課金モデルを活用した継続的な収益。
  2. インターネット広告事業
    • 概要:
      • 国内トップクラスのインターネット広告代理事業を展開。
      • 広告の運用型ビジネスに注力し、デジタル広告市場の成長を取り込む。
    • 収益比率:
      • 売上の約50%以上を占め、事業全体の中核。
      • 広告需要の拡大により、安定した収益を確保。
    • 注力領域:
      • 動画広告やSNS広告といった最新のデジタル広告分野への対応。
      • メディア事業との連携。
  3. メディア事業(Abema)
    • 概要:
      • インターネットテレビ「Abema」を中心とした動画配信サービスを展開。
      • 独自コンテンツやスポーツ中継など多岐にわたるジャンルでコンテンツ提供。
    • 収益比率:
      • 全体の10%程度と小規模だが、成長性の高い領域。
    • 成長戦略:
      • 広告事業とのシナジーを図りつつ、プレミアム会員(サブスクリプション)の拡大に注力。

ゲーム事業の成長性と広告・メディア事業とのシナジー

それぞれの事業ごとのシナジー効果についても説明いたします。

ゲーム事業の成長性

  • ウマ娘による成長の牽引:
    • 「ウマ娘 プリティーダービー」の成功により、ゲーム事業は2021年以降、収益の中核となった。
    • 2022年には、売上高が前年比で40%増加するなど、爆発的な成長を記録。
  • 今後の課題:
    • 新規タイトルの成功が成長を左右する。
    • ヒット作に依存する構造を脱却し、ポートフォリオを分散化する必要がある。

広告事業とのシナジー

  • ゲームの広告収益:
    • ゲーム事業で獲得したユーザーデータを活用し、ターゲティング広告の精度を向上。
    • 広告運用の効率化により、広告事業の収益拡大につながる。
  • IP活用の相乗効果:
    • 「ちいかわぽけっと」などのIPゲームのプロモーションを広告事業と連携して展開。
    • ゲームユーザーへのクロスマーケティングにより、広告収益を押し上げる可能性。

メディア事業(Abema)とのシナジー

  • Abemaの宣伝力:
  • サブスクリプションモデルの補完:
    • ゲームユーザーをプレミアム会員(Abema有料会員)へ誘導し、メディア事業の収益拡大を図る。

「ちいかわ」IPの魅力と「ちいぽけ」の課金モデルの可能性。

「ちいかわ」(正式名称: ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ)は、ナガノ氏がTwitterで連載を始めたキャラクター作品。短編漫画としての可愛らしい作風がSNSで拡散され、一躍人気キャラクターになりました。

また、アニメ化(フジテレビ系列「めざましテレビ」内)やグッズ展開を通じて幅広い層に認知されています。

2024年通期決算発表資料

「ちいかわぽけっと」のIPとしてのポテンシャル

  1. IPの強み:
    • 「ちいかわ」は幅広い世代に愛されるキャラクターであり、SNSやアニメで高い認知度を持つ。
    • 過去の「ウマ娘」と同様、ファン層の熱量が売上を支える可能性が高い。
  2. 収益多角化の期待:
    • サイバーエージェントのゲーム事業は「ウマ娘」への依存度が高い状況で、「ちいかわぽけっと」の成功はポートフォリオの安定化につながる。
  3. 新たなユーザー層の開拓:
    • 女性やライトユーザーを中心とした「ちいかわ」のファン層を取り込むことで、既存のコアゲーマー層とは異なる市場を開拓可能。
  4. 既存のファン層の熱量:
    • Twitterでの連載開始以来、SNSを中心に支持されており、フォロワー数は2025年時点で300万人以上
    • コラボレーション(例: カフェやアパレル)でも高い集客力を示している。
    • キャラクター同士の関係性や背景に奥行きがあり、ファンコミュニティを形成しやすい。

これまではのIPモバイルゲームのユーザーは、男性の死じた高かったことが特徴ですが、ちいかわは女性ファンが圧倒的に多く、「ちいかわぽけっと」では女性やライトユーザー層の取り込みができることに注目なのだ!

SensorTower

期待される収益 ちいかわぽけっと

  • 課金ポテンシャル:
    • ユーザー層は「カジュアルユーザー」が多いため、低額アイテム課金(衣装や装飾品)で幅広い層を取り込むのが有効。
    • 一方で、熱心なファン層に向けた限定ガチャやコラボイベントが高額課金を促進する可能性も。
  • ユーザー維持率:
    • シンプルなゲーム内容や「癒し」をテーマにした設計により、長期的なプレイ継続が期待される。
  • 関連商品の波及効果:
    • ゲーム内イベントに合わせたグッズ展開や、リアルイベントとの連携で追加収益を見込む。

他IPゲームとの期待値の違い ちいかわぽけっと

8月10日より開始された『ちいかわぽけっと』の事前登録では、登録者数が既に90万人を突破しました!100万人突破も目前ということで、期待値が大きいことは事実です。

App Media

他IPゲームとちいかわぽけっととの違いについては以下の通りです。

  • ユーザー層の広がり:
    • 他IP(ウマ娘、ドラゴンボール)は特定層に特化しているが、「ちいかわ」はライトユーザー層や女性層を取り込める点で市場を拡大できる。
  • 課金心理のハードル:
    • 癒しや可愛さをテーマにする「ちいかわ」は、他のIPよりも課金ハードルが低く、広範囲のユーザーにマネタイズ可能。
  • 波及効果:
    • ゲーム以外のグッズやイベントを含む収益モデルが他IPよりも多様性に富む。

リスクや懸念点 ちいかわぽけっと

ただし、懸念点にもしっかりと目を向けて冷静に判断していきましょう。より数字を元にした分析は、記事の後編で解説いたします!

  1. 過去の成功タイトルとの比較:
    • 「ウマ娘」は競技的要素と深いシミュレーション性でコアゲーマーを引き付けたが、「ちいかわぽけっと」はカジュアルユーザー向けのため、課金モデルの構築に課題がある可能性。
  2. 他事業への波及効果:
    • ゲーム事業だけでなく、「Abema」や広告事業との連携をいかに強化するかが鍵となる。
    • 例えば、ちいかわアニメの配信がAbemaのユーザー獲得に貢献するかどうか。
  3. アクティブユーザー数や継続率等:
    • アプリ内での課金モデルのため、他のゲーム同様、ユーザーのアクティブ率が重要。飽きられず、依存性の高いUIXやゲームデザインが鍵

売上予測 ちいかわぽけっと🈺

では、もう少し具体的に「ちいかわぽけっと」による売り上げ予測をしていきましょう!

ダウンロード数と課金率からの売上推計

  1. 事前登録者数の活用:
    • 「ちいかわぽけっと」の事前登録者数は約90万人を突破
    • 業界平均では、事前登録者の50~70%がリリース後にダウンロードすると仮定
    • 初月のダウンロード数は45万~63万人程度と推測。ただし、事前登録者以外のダウンロードもあるので、初月に100万DL達成する可能性もありうる
  2. 市場動向を基にした累計ダウンロード数の推定:
    • 同規模IPゲーム(例: 「ウマ娘 プリティーダービー」)を参考に、1年以内に累計300万~500万ダウンロードを達成する可能性。

ただし、ゲーム業界の「事前登録数」は数として多ければいいというものでなかったり、実は数字の取り方はめちゃめちゃだったりします。

事前登録数としてカウントされるものとしては、

  • Storeの予約数 (iOS/Androidなど)
  • Twitterのフォロワー数
  • LINEの事前予約
  • ゲームメディアからの予約
  • etc…

この辺がカウントされてたりします。数えようと思ったり、かさ増ししようと思ったら打ち手はあります。ゲームは初速の盛り上げをつくるために事前登録等に力を入れ、「流行ってるらしいよ〜」とか「今キテるらしいよ!」みたいな流れをつくる目的があります。

事前登録数を稼げば良いというものではない

「戻り率」っていうのはゲーム業界で良く使われる指標ですが、事前登録した人の中で実際にアプリをインストールしてくれた人の率です。経路別に出してたりします。
例えば、事前登録数がゲームAの方が多いけれど、3日後までにインストールしてくれた人の数でいうとゲームBの方が多い、こういうことがゲーム業界はよくあります。

そのため、事前登録が好調だからといって成功ではないし、逆に事前登録が不調っぽく見えても大成功!の場合もあるのです。

リリース後30日のDL数が、その後の継続的な新規DLに寄与

 まずリリースして1年後の累計アプリDL数を「10万DL未満、10-30万DL未満、30-50万DL未満、50万DL以上」の4つに分類し、リリースからの30日毎の新規DL数を、経過日数と共にグラフ化し比較したものが以下になります。

MakerZine

どの規模のアプリでも初月の新規DL数が一番多く、そこでの伸びが以降の成長を左右していることがわかります。調査対象のなかで1年後に累計DL数が50万DL以上に達したアプリ数は15アプリであり、共通点は店舗集客とEC機能を持つオムニチャネルアプリでということのようです。

事前登録の目的と役割

たしかに事前登録者数は一つのインパクトのある数字ですし、そこが伸びなければ話にならないだろう、という気持ちもわかります。しかしこれは、「配信直後のインストールを獲得すること」といった物事を「線ではなく点で考えている」状態とも言えます。つまり「数が重要であり、その中身はどうでもいい、その場凌ぎの視点」ということです。

いまや事前登録とは、アプリ配信直後の初動インストールを獲得することが全てではありません。今後、このゲームアプリを何年にも渡って支えてくれる熱狂的なファンを事前に獲得し、維持するための準備をすることです。

マーケティング担当者の中には「自分のKPI(重要業績評価指標)はユーザー獲得数だ」というスタンスの人もいますが、「広告が売上につながるか」「広告で自社ゲームの良さが広まるか」と真剣に考えられているかどうか、こちらが重要になります。

課金率とARPPU(1人あたりの平均収益)の推計

  1. 課金率:
    • モバイルゲームの平均課金率は40%程度。ただし、人気ゲームは課金率が跳ね上がるため、上限を60%参考
    • 「ちいかわぽけっと」はライトユーザーをターゲットとするため、課金率は下限(約20%)で保守的に見積もり、上限で60%とする。
  2. ARPPU(課金者1人あたりの月間課金額):
    • 業界平均の月間平均課金額(ARPPU)は2,337円参考– 4,270円参考
    • 「ちいかわぽけっと」は低額課金(衣装課金やガチャ)を主軸とするため、ARPPUは1,000円 – 3,000円前後と推定。

課金額の分布としては、「120~1000円」くらいのユーザーが一番多そう参考)ですが、中には月に100万円ほども課金するユーザーもいるため平均課金額が引き上げられていると考えられます。

ちいかわは、幅広い人々に愛されているため、多額の課金をするユーザーの出現も十分考えられるのだ!

ウマ娘に関しては、全ユーザーの内、約40%は無課金であり、月10,000円以下の「微課金」が約55%
月30,000円以下の「中課金」が約3.5%、30,000円以上の「重課金」が約1.5%程度と推定。
しかし、売上を支えているのはその1.5%の「重課金」ユーザーであり、売上全体(客単価)の58.0%を支えています(参考)。

売上の試算

売上の試算をしてみます。

  • 初月の売上(保守的な見積もり):
    • ダウンロード数: 50万人 – 100万人
    • 課金率: 20% – 60%
    • ARPPU: 4,000円 – 6,000円
    • 下限: 約2億円: (ダウンロード数: 50万人、課金率: 20%、ARPPU: 2,000円)
    • 上限: 約36億円:(ダウンロード数: 100万人、課金率: 60%、ARPPU: 6,000円)
  • 1年間の累計売上(楽観的シナリオ ウマ娘が1年で1,000DL程度なので、同等の需要があった場合):
    • 累計ダウンロード数: 1,000万人
    • 課金率: 20% – 60%(事前登録以外のライトユーザーが増えるため課金率は下がると予想)
    • ARPPU: 2,000円 – 6,000円
    • 下限: 約480億円:(累計ダウンロード数: 1,000万人、課金率: 20%、ARPPU: 2,000円)
    • 上限: 約3,600億円: (累計ダウンロード数: 1,000万人、課金率: 60%、ARPPU: 6,000円)

ちなみに、『ウマ娘』リリース後1ヶ月の売上は約134億円(1.22億ドル)なのだ(参考)。競争要素が強いことと、課金意欲の強いユーザーが多かったように考えられるのだ。
一方、年間売り上げについては、角川アスキー総合研究所によると2023年が465億7,200万2022年の894億1,800万なのだ。

「ちいかわぽけっと」定性分析とアプリ比較

ここで、参考になるタイトルとの比較表を作成してみましょう。

ウマ娘呪術廻戦
ファントムパレード
ちいポケ
リリース日2021年2月24日2023年11月21日2025年春予定
ダウンロード数総計2200万(2025年1月現在)600万(国内 2025年1月現在)
プレイヤー数は全世界で1500万人
事前登録者数60万人国内版: 150万人
グローバル版: 500万人
90万人(2025年1月現在)
累計売上約3790億円(2024年)約157億円
リリース後1ヶ月のダウンロード数(初動)215万160万
リリース後1ヶ月の売上(初動)約134億円約28億円
リリース後1ヶ月の一人頭平均課金額約6233円約1750円
ユーザー属性男性78%、女性24%。
25-34歳の層がトップで、次に多い19-24歳の層と合わせると全体の70%参考

ペルソナを見ると、「コアゲーマー」(戦略的でハイアクションなモバイルゲームをする人たち)や「PCゲーマー」からの支持が高い。一方、アプリのエンゲージメントでは、実際の競馬ファンからの支持が見える。

若いゲームファンに偏り
Sensor TowerのAudience Insightsのデータによると、同作の2024年第2四半期における主な年齢分布は、18歳から24歳が22%、25歳から34歳が23%、35歳から44歳が36%と幅広い層に分布。

幅広い年齢層から支持
アプリはリリース前のため「ちいかわ」のアニメのユーザー属性について🔽

「ちいかわ」は男女比が1:3とゆるキャラの中では男性比率が高め

20代・30代・40代の年代構成比が高く特に未婚者からの人気が高い

「イベント・グッズ購入」「マンガの購入」は特徴値が2.0pt以上と極めて高く、好きな作品そのものやグッズをよく購入するという推し活的な支出傾向がうかがえる・

また、「ゲームアプリへの課金」「動画サービスへの課金」「ライブ・コンサートの鑑賞」「映画の鑑賞」も特徴値が1.5ptを上回っており、おうち時間・外出ともにエンタメに多く支出する傾向もある。(参考

ちいかわファンは、2次元キャラクターへの興味・関心が高く、推し活支出を惜しまない傾向にある
筆者作成

1. 市場環境と競争優位性の位置づけ

リリース時期

  • ウマ娘: 2021年2月リリース。コロナ禍のエンタメ需要増加に乗じてヒット。
  • 呪術廻戦 ファントムパレード: 2023年11月リリース。アニメ人気のピークを活用し、グローバル展開も視野に入れたリリース。
  • ちいかわぽけっと: 2025年春予定。安定期のモバイルゲーム市場で、長期IP成長を見込むリリース戦略

比較評価

  • リリース時期はアニメやIP人気のピークタイミングが成功要因となる傾向があるが、「ちいかわ」は長期的な認知度維持が成功しているIP
  • 春リリースは新学期や新年度による生活変化に合わせ、若年層・ライトユーザー層のアプローチが狙える。

2. ユーザー属性の差異とターゲティング

ウマ娘

  • 主に男性(78%)をターゲットとした競技的・戦略性重視のゲーム設計。
  • ユーザー属性は若年層(19~34歳)に集中し、「コアゲーマー」と「競馬ファン」が主流。
  • 一人頭課金額の高さ(約6,233円)はコアゲーマー層に支持されるゲーム性に起因

呪術廻戦 ファントムパレード

  • 幅広い年齢層(18~44歳)が支持。
  • アニメ視聴者をメインターゲットに設定しつつも、エンタメ全般に課金するライトユーザーが多い
  • 一人頭課金額は約1,750円と、IPの幅広さを反映してやや低め。中央値はかなり低そう。

ちいかわぽけっと

  • ファン属性は女性が75%、20~40代が主流。
  • ファン層は「推し活」の消費意欲が高く、ゲームアプリ・動画サービスへの課金傾向も確認。
  • 男女比1:3のため、男性層も一定の顧客として期待可能。
  • 仮説: ユーザー課金傾向は呪術廻戦より高く、ウマ娘より低いと推測(予測ARPPU: 2,000~4,000円)。
引用

3. ダウンロード数と収益ポテンシャル

事前登録者数

  • ウマ娘: 60万人 → 初月ダウンロード数215万。
  • 呪術廻戦: 国内版150万人 → 初月ダウンロード数160万。
  • ちいかわぽけっと: 90万人 → 初月ダウンロード数200万前後を予測

累計売上

  • ウマ娘: 累計約3,790億円 → 一人頭課金額が非常に高い(戦略的ゲーム設計の影響)
  • 呪術廻戦: 累計約157億円 → グローバル展開のわりにライトユーザーが多く収益は低め
  • ちいかわぽけっと:
    • 累計売上480億円(下限)~3,600億円(上限)を想定。
    • 推し活・イベント重視の設計ができれば呪術廻戦以上、ウマ娘未満の収益を狙える。

4. ユーザー課金動機の分析

ウマ娘

  • 育成システムや競技要素が課金を強く誘発。
  • 特に上位ランクを目指す層が高額課金を支える。

呪術廻戦

  • キャラクター重視の設計がライト課金ユーザーに響くが、深いゲーム性に欠け、課金率は低め。

ちいかわぽけっと

  • 「推し活支出」傾向を活かした低額~中額課金が主軸になると予想。
  • シンプルなゲーム性を生かし、衣装ガチャやイベント課金が収益の柱。
  • 利用者層の支出意欲から、ARPPUの上限は4,000円~6,000円と高めの設定も可能か?

5. 「ちいかわぽけっと」の成功要因とリスク

成功要因

  1. ファン層の熱量: 推し活消費が高い20~40代女性を中心に、課金率が呪術廻戦より高くなる可能性。
  2. 癒し系IPの強み: ライトユーザーに受け入れられやすく、リテンション率向上が期待される。
  3. 広告・メディア事業との連携: Abemaでのプロモーションやコラボイベントでユーザー拡大を図れる。

リスク

  1. 課金設計: コアゲーマー向けの「深いゲーム性」が欠けるため、課金ユーザーの単価が抑えられる可能性。
  2. 競争環境: 同時期にリリースされる他のIPゲームや既存タイトルとの競争が激化する可能性。

ここまでのまとめ

「ちいかわぽけっと」は、ターゲット層やユーザー課金動向を踏まえると、呪術廻戦ファントムパレード以上の成功が期待されます。

一方、ウマ娘のような競技性を伴うゲームに比べると、収益上限は限定的になる可能性が高いです。ライトユーザー重視の設計を維持しつつ、推し活消費を促進するイベントやコラボを展開できれば、収益拡大とユーザーエンゲージメント向上が見込まれる。

アプリのランキング上位者には、特別なグッズが手に入るというような仕組みだと、かなり課金が見込まれる可能性を感じるのだ!

レアカード特典などのある遊戯王のカセットゲームやポケモン等が昔売れたりしたりしたよね。

ちいかわぽけっとによるサイバーエージェント全体への影響

ちいかわぽけっとはどのようにサイバーエージェント全体へ影響するのでしょうか?

ゲーム事業への寄与

寄与率: 約 11.14%

「ちいかわぽけっと」がサイバーエージェントのFY2024ゲーム事業売上高(1,959億円)に占める割合は約11.14%。

新たな成長ドライバーとして、ゲーム事業の拡大に大きく寄与する可能性が高いと考えられます。

2024年通期決算発表資料

他事業への波及効果

ちいぽけがヒットすれば、もちろん他事業への波及効果も狙えます。

  1. 広告事業:
    • ゲーム内広告やコラボレーション広告が広告収益の一部を押し上げる。
    • 例えば、広告事業への1~2%の波及効果があれば、広告事業全体に約50億円程度の増加が期待できる。
  2. メディア事業(Abema):
    • 「ちいかわ」アニメの配信や関連コンテンツでユーザーのAbemaへの誘導が期待できる。
    • プレミアム会員(サブスクリプション)の増加や広告収入の拡大に貢献。

投資回収見通しと利益率

初期開発コスト

  • 業界平均でモバイルゲームの開発費は約20~50億円(参考)
  • 「ちいかわぽけっと」の場合、IP利用料やマーケティング費用を考慮し、開発費用を40億円と仮定します。

『ウマ娘』も開発費には50億円程度かかっているようなのだ!

利益率

  • モバイルゲームの運営型ビジネスでは、運用費用が20~30%程度を占める。
  • 「ちいかわぽけっと」はキャラクター中心のカジュアルゲームであり、利益率は30~40%と仮定します。

投資回収見通しと利益率

利益額(年間)は、

  • 下限(保守的シナリオ): 約 144億円
    (年間売上 480億円 × 利益率 30%)
  • 上限(楽観的シナリオ): 約 1,440億円
    (年間売上 3,600億円 × 利益率 40%)

投資回収期間は、

  • 最短(楽観的シナリオ): 約0.03年(約11日)
    (初期投資40億円 / 年間利益 1,440億円)
  • 最長(保守的シナリオ): 約0.28年(約3.3ヶ月)
    (初期投資40億円 / 年間利益 144億円)

と予想します。

ちいかわぽけっとまとめ 前半

2025年春にリリースが予定されている「ちいかわぽけっと」は、サイバーエージェントのゲーム事業にとって新たな成長の柱として期待されています。

初年度からゲーム事業の売上に大きく貢献し、他事業への波及効果も期待されます。一方で、課金モデルや競争環境のリスクを適切に管理することが、成功の鍵となるでしょう。

次のステップとして、計量分析によるリリース後の株価シナリオに進みます!

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参考文献 reference

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この記事を書いた人

株式会社シュタインズ代表取締役。
情報経営イノベーション専門職大学客員教授。
エストニアの国立大学タリン工科大学物理学修士修了。

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