新NISAを活用した夫婦での資産形成

2024年9月25日

新しいNISA（少額投資非課税制度）は、投資初心者にも非常に有効な資産形成の手段です。この制度を使えば、投資から得た利益が非課税となるため、長期的な資産成長を目指す人にとって非常に魅力的です。

この記事では、新NISAを夫婦でフル活用して資産形成を目指す方法について解説します。

新NISAの非課税枠は、個人で年間360万円までとされています。つまり、夫婦でこの枠をフル活用すれば、最大720万円を非課税で投資できることになります。例えば、この枠を使い続けると、10年間で最大3600万円を投資できる計算です。

では、この非課税枠を使って、どのように資産を運用すればよいでしょうか？

資産運用の最適解は？

新NISAを最大限活用するには、以下の2つの選択肢が非常に有効だとされています。

1) eMAXIS Slimオール・カントリー：世界全体に投資

「eMAXIS Slimオール・カントリー（オールカン）」は、全世界の株式に分散投資できるインデックスファンドです。これを選べば、特定の国や地域に偏らず、50か国以上の企業に投資することができます。つまり、リスクを分散させながら、世界全体の経済成長に乗る形で資産を増やすことが可能です。

2) eMAXIS Slim米国株式（S&P500）：米国株の成長に賭ける

もう一つの選択肢が、「eMAXIS Slim米国株式（S&P500）」です。米国は世界最大の経済大国であり、特にS&P500は、米国の代表的な500社の株式に連動するインデックスファンドです。

過去数十年にわたって、米国株式市場は安定した成長を続けており、今後もその成長を期待することができます。

注意点：新NISAの年間投資枠

新NISAでは、年間の投資枠が360万円までと決まっています。この枠内であれば、売却した分の非課税枠は翌年に復活する仕組みです。しかし、頻繁な売買を行うとその分投資枠を使い切ってしまうため、できるだけ長期的な視点で運用することが大切です。頻繁な売買は避け、基本的には「買って長期保有する」戦略が効果的です。

夫婦で3600万円の新NISAを活用すれば資産形成はほぼ完了

新しいNISA制度では、1人あたり生涯で最大1800万円の非課税枠が設けられています。夫婦で活用すれば、合計で3600万円もの資産を非課税で運用できることになります。この枠をフル活用することは簡単ではありませんが、達成できればそれだけで「資産形成はほぼ完了した」と言えるほどの大きな効果があります。

年間投資枠の上限は夫婦で720万円

新NISAの年間投資枠は1人あたり360万円ですが、夫婦で合わせると年間720万円となります。しかし、この枠を毎年フルに活用するのは、かなりの資金を持っていない限り難しいでしょう。毎月の貯金だけでこの枠を埋めるのは現実的ではありません。

ブログやSNSなどでは「5年間で新NISAの枠を使い切るのが理想」といった意見を目にするかもしれませんが、無理をして急ぐ必要はありません。

人生100年時代、ゆっくり投資を進めても大丈夫

「人生100年時代」とも言われる現代では、20代や30代の投資人生は50年以上続く可能性があります。つまり、投資を急ぐ必要はなく、自分のペースでじっくりと資産を積み上げていくことが大切です。

15年から20年かけて夫婦で3600万円分の非課税枠を埋めることができれば、それは大成功と言えるでしょう。焦らず、長期的な視点で資産形成を進めていけば、しっかりとしたリターンを得るチャンスは十分にあります。

投資商品は「eMAXIS Slimオール・カントリー」か「楽天・オールカントリー」で十分

夫婦で新NISAをフル活用し、3600万円分の投資をすると決めたとして、どの投資商品を選べばいいのでしょうか？

投資についてあまり複雑に考えたくない方には、シンプルに「全世界株インデックスファンド」を選ぶのが最も効果的で、資産形成の王道とされています。これだけで十分です。

シンプルなスタートがおすすめ

あれこれ悩む時間があるなら、とりあえず「オルカン」を購入して投資を始めてしまうのが効率的です。投資を始めた後で興味が湧いてきたら、次に「日本高配当株」や「S&P500」、「NASDAQ100」など、他の指数について勉強を進めていくと良いでしょう。

夫婦で3600万円インデックスファンドを活用したら、あとは放置が正解

夫婦で3600万円分の新NISA非課税枠をインデックスファンドで埋めた後、次に何をすべきか悩むかもしれません。しかし、結論から言うと、最も良い選択肢は 「何もしない」 です。

長期的に非課税運用を続けることがポイント

新NISAでは、売却した分の非課税枠が翌年に復活する仕組みがありますが、この仕組みを使って頻繁に売買するのは避けるべきです。この制度は、基本的に 「生涯保有に値する良質な商品を、長期にわたって保有し続ける」 ためのものだからです。

売買を繰り返さない方が良い理由

素人が市場のタイミングを読みながら頻繁に売買すると、結果的にリターンが低下する傾向があります。投資の世界では、市場を完璧に予測するのは非常に難しく、むしろ何もしない方が市場全体の成長に乗ることができます。実際に、多くの研究では 「売買を頻繁に行う投資家は、何もせずに市場に居続ける投資家よりもリターンが低くなる」 ことが示されています。