時価総額とは、1株当たりの株価に発行済み株式総数をかけた金額を指します。
また、将来のフリーキャッシュフロー(企業が本業で稼ぐお金)に基づいて、算出することも可能です。
給与収入だけで老後資金をまかなえるのか不安に思う人は増えています。多くの人にとって「投資」が避けて通れなくなってきたのではないでしょうか?
資産を増やすという点で大きな選択肢の1つになるのが株式投資ですが、その際、企業の時価総額という概念について知っておくことはとても大切です。
時価総額とは?
ニュースを見ていると、「この企業の時価総額は○億円」といっているのを目にしますよね。この「時価総額」とは、現在の会社の株価に発行済株式数をかけて求められる数値で、企業の価値や規模を評価する重要な指標のひとつです。
時価総額は、以下の計算式で求められます。
時価総額=株価×発行済株式数
市場株価は、投資家の需要によって日々変動します。株式を買いたい投資家が多ければ多いほど、株価は上がります。一方で、株式を売る投資家のほうが多いと、株価は下がります。これが株の基本です。
株価だけで企業の実力はわからない|時価総額とは
株価は企業の市場価値を測る一つの指標です。しかし、株価だけを比べても意味はなく、比較すべきは時価総額です。
たとえばトヨタ自動車(愛知県)の株価は9838円(2021年8月6日終値)なのに対し、任天堂(京都府)は5万2410円です。ここだけ見ると、任天堂の市場価値はトヨタ自動車の5倍以上あるのではないか、という印象を受けますよね。
そこで時価総額で比較してみましょう。
トヨタ自動車の時価総額は任天堂の4倍以上あります。
つまり、投資家たちはトヨタの市場価値を任天堂の4倍以上と評価しているということになります。
時価総額とPERの違い
PER(ピーイーアール、またはパー)とは、「Price Earnings Ratio」の頭文字をとった用語のことです。これは「株価収益率」を意味します。PERは、時価総額を純利益で割って計算されるため、時価総額と関連して用いられることの多い用語です。
時価総額もPERも、企業の価値を判断する指標という点では共通しています。
時価総額との違いは、時価総額が企業の規模や価値などを示すのに対し、PERは利益に対する株価の割高感、割安感を示す指標となっている点です。一般的に、PERが日本取引所グループ(JPX)の公表する規模別・業種別平均より高ければ株価は割高、規模別・業種別平均より低ければ割安と評価されます。
時価総額と企業価値の違い
企業価値と時価総額は、どちらも企業の規模や価値を測る場合に用いられる指標です。ややこしいですね……
企業価値は、その企業の事業の価値やキャッシュフロー、株式や資産などを総合して評価されます。
一方、時価総額は株価に発行済み株式総数をかけて算出されると先ほど説明しました。
この金額の中に企業の有利子負債額などは含まれていません。時価総額は株式などの自己資本価値にあたることから、「株式価値」とも呼ばれています。企業価値と時価総額(株式価値)は、企業の負債価値まで含んでいるか否かなどの違いがあります。
なんとなくでも、違いを説明できるようになっておくだけで、あなたの知識は周囲よりも遥かに高くなっていますよ!
時価総額が増減する理由は?|時価総額とは
時価総額は「株価 × 発行済株式数」で計算されると説明しました。
株価の変動や発行済株式数の変化で時価総額は増減します。ただし、発行済株式数の変化は企業の増資のタイミングなど限られているため、普段は株価の変動に着目することになります。
株価の変動要因にはさまざまなものがあります。
企業の業績や将来性、市場を取り巻く景気の動向、金利の水準や社会情勢などによって株価は変動します。
まとめ 時価総額
いかがでしたでしょうか?
時価総額や株価について少しでも知識がついたのであれば、幸いです。
時価総額は「株価 × 発行済株式数」で計算されるとわかりましたね。
株価の変動や発行済株式数の変化で時価総額は増減します。ただし、発行済株式数の変化は企業の増資のタイミングなど限られているため、普段は株価の変動に着目すれば良いでしょう。
ぜひ一度、さまざまな企業の時価総額を調べてみましょう!