「人の行く裏に道あり、花の山」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。これは、投資の世界で、大衆と同じ行動をしていては成功が難しく、逆を行くことで良い結果を得られるという意味の格言です。とはいえ、実際に市場が暴落すると、ほとんどの人が群集心理に飲み込まれ、冷静さを失ってしまいます。
そんな時こそ、VIX指数(恐怖指数)やFear and Greed Indexを参考にするのが有効です。これらの指標は、市場の心理状態を数値化しており、暴落時に「買い」のタイミングを見極める手助けをしてくれます。
VIX指数は、別名「恐怖指数」として知られ、市場が不安定になると急上昇します。市場全体が恐怖に包まれている時は、多くの投資家が慌てて売りに出ている可能性が高く、その時こそ冷静に買いを考えるべきタイミングかもしれません。VIXが高いときこそ、逆に勇気を持って投資する価値があると考えられます。
また、Fear and Greed Indexは、市場の心理を「恐怖」と「欲望」に分類して数値化したものです。この指数が「恐怖」に傾いている時は、市場が悲観的になり過ぎている可能性があります。このような状況では、株価が実際の価値よりも低くなっていることが多く、買いのチャンスとして捉えることができます。
VIX指数が30を超えたら「買い」のサイン!
投資初心者でも分かりやすい指標の一つが、VIX指数(恐怖指数)です。この指数は、投資家が市場に対してどれほど恐怖を感じているかを示すもので、数値が上がるほど市場が不安定であることを意味します。
通常、VIX指数は10〜20の範囲で推移していますが、相場が急激に下落する時には30を超えることがあります。例えば、2023年8月5日の株価急落時にも、VIXが急上昇しました。
さらに、2020年のコロナショック時には、VIX指数が一時的に80を超えました。これは、いかに市場が混乱していたかを物語っています。VIXが80を超えるような相場は、リーマンショックやコロナショックのような極めて稀な状況ですが、短期的に30を超える場面は、比較的よく見られます。
Fear and Greed Indexが「Extreme Fear」の時は買いのチャンス
もう一つ参考になる指標が、Fear and Greed Indexです。この指数は0〜100の範囲で示され、投資家が現在の市場にどれだけ「Greed(強欲)」もしくは「Fear(恐怖)」を感じているかを数値化しています。
私自身、0〜25の「Extreme Fear」の状態にあるときにスポット購入をするようにしています。これは市場が過度に悲観的になっている時期であり、株価が割安になっている可能性が高いからです。
逆に、「Greed」や「Extreme Greed」の時には、市場が楽観的すぎる状態なので、無理にスポット購入をせず、通常の定期積立を続けることにしています。これらの指標を活用することで、冷静に投資判断を下すための一つの基準となります。
VIXやFear and Greed Indexを暴落時の買いタイミングの目安にしよう
将来の株価の動きを正確に予測することは不可能ですが、たとえ暴落が起きても、永遠に回復しない相場はありません。多少タイミングを間違えたとしても、eMAXIS Slim オールカントリー(オルカン)やS&P500といった長期投資に適したインデックスに投資していれば、時間をかけて回復を待つことができるのです。
とはいえ、せっかく投資するなら、できるだけ良いタイミングで買いたいと思うのは、投資家なら誰しも抱く気持ちです。特に、限られた資金で投資を行う人にとっては、買い時を慎重に見極めたいところでしょう。
暴落を待っている間に株価が上がってしまうことも多いため、毎月の積立投資は続けるべきですが、まとまった余裕資金をどのタイミングで投入するか悩んでいる方には、VIX指数やFear and Greed Indexが一つの目安になります。これらの指標を参考にすることで、より安心して投資を行うことができます。
まとめ 暴落時の買いサインにはVIX指数とFear and Greed Indexを活用しよう
暴落時に買いのタイミングを見極めるために、VIX指数とFear and Greed Indexの2つの指標を知っておくと非常に便利です。普段は毎月積立を続け、相場が不安定な時にはこれらの指標を参考にして、スポット購入を併用することで、より効果的な投資が可能になります。これらのツールを賢く使いこなして、安定した資産形成を目指しましょう。