投資初心者の皆さんは、どのくらいの期間、投資信託を保有すべきか迷ったことはありませんか?一般的に「長期投資が大切」と言われますが、実際にはどれくらいの期間を想定すればいいのでしょうか。
投資信託の平均保有期間はたった2〜3年
QUICK資産運用研究所の調査によると、投資信託の平均保有期間はわずか2〜3年だそうです。DC(確定拠出年金)専用商品では4〜5年に延びますが、それでも「たった5年」という印象です。この結果から、長期的に投資を続ける難しさがうかがえます。
特に新NISA(積立NISA)で人気のインデックス投資商品(例:eMAXIS Slim オールカントリー、楽天・オールカントリー)を選ぶ場合、長期保有が鍵となります。具体的には、20〜30年というスパンで投資を続けることで、資産を効果的に増やす可能性が高まります。
平均保有期間が短い理由の一つは、投資信託を数年で売却してしまうことです。しかし、短期間での売却は、リターンを最大化できないリスクがあります。市場の変動に惑わされず、コツコツと積立を続ける姿勢が大切です。
投資信託の平均保有期間が2〜3年では資産形成は難しい
投資信託の平均保有期間が2〜3年というデータは、資産形成を目指す上で非常に厳しい現実を示しています。この短期間での投資では、資産を大きく増やすのは難しいと考えられます。
複利効果を活かす長期投資がカギ
私たち個人投資家が株式投資で収益を得るためには、複利効果を活用することが最も有効な手段です。例えば、以下のシミュレーションを見てみましょう。
- 初期投資: 100万円
- 毎月の積立額: 3万円
- 年率リターン: 5%
この条件で30年間運用を続けると、約3,000万円の資産を築くことができます。この結果は、長期的に運用を続けることでこそ得られるものです。
暴落があっても市場に居続けることの重要性
途中で何度か市場の暴落に直面しても、株式市場にとどまり続けることで、長期的な利益を享受することができます。株式市場は時間をかけて成長する傾向があり、その恩恵を受けるためには、長期間市場に参加し続けることが不可欠です。
短期投資のリスク
一方で、どれほど優れた投資信託であっても、2〜3年という短期間では大きな成果を期待するのは難しいです。相場に恵まれることもありますが、短期間の投資では不確定要素が増え、投機的なリスクが高まります。
インデックス投資は長期保有がカギ—20〜30年の投資で成果を目指そう
eMAXIS Slimオール・カントリーや楽天・オールカントリーといった全世界株インデックスファンドに投資している方は、投資の時間軸をできるだけ長く持つことが成功のカギです。新しいNISAでは非課税期間が恒久化されているため、「一生ほったらかす」くらいの気持ちで運用するのがちょうどよいでしょう。
複利効果が実感できるのは10年目以降
複利効果の真価が発揮されるのは、資産が大きくなる10年目以降からです。初めの数年間は、資産の増え方が緩やかで、投資が「地味で退屈」と感じるかもしれません。
短期的な成果にとらわれない
投資を始めたばかりの頃は、「本当にこのやり方で合っているのだろうか?」と疑問に感じることも多いでしょう。特に短期的には目に見える成果が出にくいため、不安になることがあるかもしれません。
長期投資で成果を出す可能性を高める
しかし、20年〜30年と長期間続けていれば、複利効果が働き、資産が大きく増える可能性が高まります。インデックス投資は「長期・分散・積立」の基本を守り、焦らずじっくりと運用することが大切です。
20年以上続けられる貯金や投信積立は意外と少ない—自動化が長期投資成功のカギ
老後に困らない程度の最低限の資産形成を目指すなら、実践するべきことは驚くほどシンプルです。
以下の3つのステップに集約できます。
- 毎月の給料の10%以上を貯金する
- まずは収入の一部を確実に貯金しましょう。下図を参考に、月々の積立額を計画しましょう。
- 貯金の50%を貯蓄に、残り50%を「オルカン」に投資する
- 貯金だけでなく、その一部をeMAXIS Slimオールカントリー(オルカン)などの全世界株インデックスファンドに回すことで、資産を増やす可能性が高まります。
- 「NISA口座」を活用し、可能なら「クレカ積立」を利用する
- 新NISA口座を使い、さらにクレジットカード積立を活用することで、自動的かつ効率的に資産を形成できます。
長期的に続ける難しさ
これだけシンプルな方法でも、10年〜20年以上毎月欠かさず続けている人は意外と少ないです。投資が趣味でない一般の方にとって、興味が薄いものを何十年も続けるのは容易ではありません。
自動化が成功のカギ
この問題を解決するための方法は、「できるだけ自動化してほったらかす」ことです。特にクレカ積立の最大のメリットは「完全に放置できる」ことにあります。毎月証券会社に入金する手間が省けることで、手続きが面倒と感じる人でも続けやすくなります。
面倒なステップを排除する工夫
少しでも手間が残っていると、途中で挫折してしまうリスクが高まります。ですから、「どうすれば完全に自動化できるか?」を真剣に考えることが大切です。自動化を徹底することで、投資を習慣化し、長期的な資産形成を可能にしましょう。
まとめ 投資信託は長期保有がカギ
投資信託の魅力を最大限に活かすためには、長期間保有することが欠かせません。特に、「投資信託の平均保有期間が2〜3年」というデータは、あまりに短すぎると言えます。
投資信託の本来の効果、特に複利効果は、時間をかけてこそ発揮されるものです。そのため、じっくりと腰を据え、10年、20年といった長期目線で投資を続ける姿勢が重要です。
短期的な成果にとらわれず、計画的に長期保有を続けることで、安定した資産形成が期待できます。